HCI技術の「SmartX」が30億円を調達 インテルやファーウェイとも共同開発

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ITシステム開発の「SmartX」が30億円の資金調達 インテルやファーウェイとも共同開発

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ハイパーコンバージドインフラストラクチャー(Hyper Converged Infrastructure、以下「HCI」と略称)を手掛ける中国の「SmartX」が、シリーズB+とシリーズCの資金調達を完了していたことがわかった。調達額は合わせて2億元(約30億円)。シリーズB+のリードインベスターは「祥峰投資(Vertex Ventures)」で、同社株主の「経緯中国(Matrix Partners China)」が追加出資した。シリーズCのリードインベスターは「天創資本(Tianjin Venture Capital)」と「華業天成資本(HUA CAPITAL)」で、同社株主の「方広資本(F&G Venture)」が追加出資した。財務アドバイザーは「義柏資本(100Summit Partners)」。調達した資金はエンタープライズクラウドの分散型コンピューティングと分散型ストレージのエンジンの開発、コンテナ、エッジ・コンピューティングなどの適用範囲をさらに拡大させることに使われる。

HCIは、コンピュータシステムにおける計算、ストレージ、ディザスタリカバリ、メンテナンスといった基盤機能を、仮想化機能と標準的なハードウェアだけを用いて実装し、一元化されたプラットフォームで管理するアーキテクチャである。HCIにより、システムの性能、信頼性、効率の向上が期待され、コストの抑制も実現できる。

SmartXは2013年に設立され、独自開発の分散型ブロックストレージを中心に、各種モジュールとソリューションを提供している。同社の主な顧客には金融、医療、製造業、小売チェーン、不動産などITシステムへの依存度が高い業種の企業が多い。中国国内では「交通銀行(Bank of Communications)」、「泰康保険集団(Taikang Insurance)」、「国泰君安証券(Guotai Junan Securities)」、ハイアール、電子製品メーカーの「京東方( BOE Technology Group)、不動産大手の「恒大集団(Evergrande Group)」などが同社のシステムを利用しており、海外では韓国の放送局「SBS」、日本の越境ECプラットフォーム「Cafe24」などが顧客となっている。IT調査会社の「IDC」のレポートによれば、中国の金融業向けのHCIにおいて、SmartXのシェアはトップ3に入るという。

近年、SmartXの売上高は年間100%以上の成長を続けており、今年は新型コロナ禍がありながらも、第1、第2四半期に前年同期比60%以上の成長を記録した。

分散型ブロックストレージは同社のHCIにおいて核心となるモジュールである。この技術は開発期間が長く、顧客の業務の連続性とデータの信頼性に大きな影響を及ぼすため、ステージングの難易度が高い。そのため、これまで当該分野は海外企業が中心となっており、中国国内のシステム開発会社は、よりハードルの低いオープンソース型のシステムを中心としていた。しかし、SmartXは設立当初から、分散型ブロックストレージを中心に独自開発を続け、今日の地位を築くに至ったのである。

上記以外の技術として、SmartXはインテルと共同で遅延が100μs以下の超低遅延HCIソリューションを発表したばかりである。ファーウェイ、スパコン企業「中科曙光(sugon)」など国内のメーカーとともに、国産ハードウェアに基づく次世代のITアーキテクチャをも開発している。

HCIの実用分野は長年の発展を経て、当初のVDI(デスクトップ仮想化)から、データベースなどの中核的なシーンや、コンテナ、エッジ・コンピューティングのような新たに登場したシーンに広がっている。ITのアドバイザリー企業「Gartner」によると、HCI市場は年間50%の成長率を長年保ち続けており、今はやや勢いを落としているが、それでも2023年までは年間23%以上の成長率を保つという。中国市場での成長率も同水準である。さらに、中国政府が国策として「新インフラ」を推し進め、企業のデジタル・トランスフォーメーションの需要が高まっているため、中国のHCI企業は好機を迎えていると言える。

SmartXの共同創業者兼CEOの徐文豪氏は、「アジャイル、スマートな次世代ITシステムは、新インフラの重要な一部である。国内企業が技術開発を進め、製品を革新していくことが大事」だと話す。その上で、「今後のSmartXは、HCIの技術と既存顧客という2つの強みを生かし、エンタープライズクラウドにおける分散型ストレージ、分散型コンピューティングといった重要モジュールの開発をさらに進め、HCIがより重要なシーンで使われるように促していく。そして、コンテナ、エッジ・コンピューティングでの開発も同時に強化して行きたい」と語った。

(翻訳:小六)

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