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7月30日午後、シャオミの創業者でCEOの雷軍氏が中国の動画共有サイト「ビリビリ(bilibili)」に、自身初となる動画を投稿した。公式発表から2時間足らずで、フォロワー数は15万6000人、再生回数は50万回以上に達した。
動画の中で雷軍CEOは次のように語った。「今回、正式にビリビリの一員になることができた。新参者の私だが、聞くところによるとビリビリで私はかなりの有名人らしい。皆さんのお引き立てに感謝している。今後は皆さんと共にシャオミ本社のある産業パークを巡ったり、シャオミの新商品を紹介したりして、人気投稿者になれるよう努力するつもりだ」
雷軍CEOとビリビリのつながりは深い。事の発端は2015年、インドの新製品発表会でスピーチした雷軍CEOの英語があまりに残念だったことをネタにした二次創作動画(MADムービー)がビリビリにアップされた。動画ではスピーチ中の「Are You OK?(君たち大丈夫?)」などの部分が耳に残るメロディーと共に繰り返され、大きな笑いを誘う。この動画は瞬く間に人気を博し、再生回数は3000万回を超え、同年の最強洗脳ソングに選ばれる。雷軍CEOを題材にした動画の特集サイトを作ったユーザーもいたほどだ。
雷軍CEO本人はこれに反発するどころか、ビリビリのシャオミ公式アカウントでさまざまな曲と合わせた同様の動画を次々に配信している。
シャオミもビリビリをマーケティング戦略における重要なツールと位置づけており、同社のほか傘下ブランドもビリビリで公式アカウントを開設、自虐ネタ動画を使って自社製品を宣伝するという手法を多用している。
ユーザーの定着率が極めて高いビリビリは、ビジネス化があまり進んでいない。他の動画サイトと比べても比較的純粋な動画プラットフォームと言えるため、企業にとっては進出が早いほどプロモーションコストも抑えられる。このため雷軍CEOに限らず、アリババ、テンセント、マクドナルドなど多くの企業が先を争うようにビリビリにアカウントを開設しており、その数は爆発的に増加している。
新型コロナウイルスの感染流行期間中に、アリババ傘下のオフィスツール「Ding Talk(釘釘)」がアップした自虐的な謝罪動画が話題をさらった。同アプリを使ったオンライン授業が始まったことに不満を募らせた小学生たちが、腹いせとばかりに大量の最低評価をつける「抗議キャンペーン」行ったことに対してのものだ。この動画は1日で300万回近くのアクセス数をたたき出すほど広く注目を集め、結果的にDing Talkそのものの存在感を高めることとなった。
ビリビリには若者の文化的コミュニティーまたコンテンツ制作プラットフォームという側面があるものの、多くの企業家が注目しているのは膨大な若者ユーザーと限りない消費の潜在力だろう。であれば、彼らがビリビリのマーケティング効果を見過ごすはずがない。実際その効果を狙ってビリビリに参入するのは雷軍CEOが初めてではなく、今後もその傾向は続くだろう。
(翻訳・畠中)
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