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世界的に大ヒットした中国発の短編動画アプリ「TikTok」を運営するバイトダンス(字節跳動科技)は、米国事業の売却について交渉を続けている。これを受けて創業者の張一鳴氏が全社員に向け、売却案件の進捗報告を兼ねて自身の思いを綴った書簡を公開した。
先月31日(米国時間)、トランプ米大統領が同国内におけるTikTokの利用を禁止する可能性について言及した。またTikTokの運営元であるバイトダンス社が米国事業を米マイクロソフト社に売却することで合意し、同社の張CEOも自身の持ち株を手放すことで合意したと報じられた。
張氏は全社員に宛てた書簡の中で、TikTokはCFIUS(対米外国投資委)の強硬な要請により米国事業を売却するか、あるいは行政命令により米国内での利用禁止措置が採られることになると説明。同社内では過去数週間にわたり、最良の着地点を探るために昼夜を問わない奮闘が続いているとした。
この1年、CFIUSはバイトダンス社が2017年末に現在のTikTokのひな型となるリップシンク動画アプリ「Musical.ly」を買収した際の経緯について検証を行ってきたが、張CEOはこれに対し一貫して協力的な姿勢を採ってきたと主張。バイトダンスがあくまで民間企業であるとの立場を強調したうえで、米国側の懸念事項を解消するための多くの技術的解決案を提供してきたが、CFIUSはTikTok米国事業について売却の一択しか想定していないと綴っている。
「このような決定には我々は同意できない。我々はこれまでデータセキュリティの確保に努め、プラットフォームの中立性と透明性を守ってきた」とし、米国側の強硬な姿勢に直面しながらもなお、あらゆる可能性を探り続けるとした。
張CEOが書簡の中で提示した解決案は、TikTokが米国事業を継続できるために他のテック企業と協業するというもので、すでに最初の協議が行われたという。
解決にあたって張CEOが考慮したのは「ユーザー」「運営チーム」「運営企業」という三つの側面だ。
「ユーザー」については、TikTokの独自性を守り、ユーザー体験を損なわないようにすること、「運営チーム」については、彼らの利益と成長を重視すること、「運営企業」については当初のビジョン「inspire creativity & enrich life(クリエイティビティを刺激し、人生を豊かにする)」を守るために努力を続け、優れたグローバル企業を目指すという考えだ。
TikTokを巡っては今後も憶測を交えた報道が続くとみられるが、張CEOは社員に対し、「士気を失わず自分を貫き、またこのような難しい局面においてもバイトダンス社は正しい判断を下し、社員を支え続ける企業であることを信じてほしい」と呼びかけた。
また、プロダクトとしてのTikTokについては「すでにグローバル文化の一部となっており、ユーザーにとっての窓、キャンバスであり架け橋である」と綴った。世界の数億人のユーザーが同プラットフォーム上でクリエイティビティを発揮し、互いに縁を結び、多くの喜びと情報を得てきたと述べ、「TikTokの将来を信じている」とした。
張CEOは書簡の最後に「バイトダンスは信頼に値するグローバル企業でありたいと願い、それはこれからも変わらない。この激動の時代においても、そのためにより努力する価値があると考えている。これこそ挑戦と意義に満ちた旅の道のりなのだ」と結んだ。
(翻訳・愛玉)
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