ホテル予約から経費精算までワンストップ提供、出張管理システム「Z-trip」が15億円調達

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出張管理(BTM)プラットフォームの「在途商旅(Z-trip)」がこのほど、シリーズAとシリーズA+で計1億元(約15億円)を調達したと明らかにした。 シリーズAのリード・インベスターは米ベンチャーキャピタル(VC)のDCM。シリーズA+のリード・インベスターは「美団点評(Meituan Dianping)」の前身「大衆点評(Dianping)」を創業した張涛氏。今回調達した資金は、製品開発や技術革新、組織拡大、顧客サービスなどに充てる方針だという。

出張専門の旅行会社「国旅運通全球商務旅行(CITS American Express Global Business Travel)」が発表した「2019年度中国ビジネストラベル市場調査報告」は、中国における出張旅行関連支出が2022年には4770億ドル(約50兆円)に達するとの見通しを示すとともに、回答した企業の6割が従業員の満足度向上を優先的な課題として挙げたことを指摘している。

同報告書は、中国では依然として大多数の企業がオフラインまたはオンライン専門旅行会社(OTA)を通じて出張予約を行っており、ビジネストラベルマネジメント会社(TMC)の利用はわずか1割にとどまっているとした上で、企業が従業員の満足度を重視し始めたことが、旅行業界の傾向が新世代のスマート出張旅行へと直接移行するのを後押しするとの見方も示している。また、企業が出張管理に求める基本的な要件は、ペーパーレス化、モバイル化およびカスタマイズ化だとしている。

2017年に設立されたZ-tripは、BTMサービスを手掛ける米ユニコーン企業「TripActions」を目標としており、大手・中堅企業向けに宿泊施設・交通手段の予約や会議関連の手配および費用精算関連の手続きなどをカバーするワンストップ型のSaaSプラットフォームを運営している。

創業者の黄従偉CEOは、BTM企業はビッグデータの活用やAI技術によるイノベーショを通じて企業のコスト削減と収益拡大を後押すると同時に、従業員により良い出張旅行を提供するべきだとしている。

Z-tripは企業のコスト削減に向け、三つの施策を打ち出している。第一に、企業は自社が提携するサプライヤーおよびその他のサプライヤーの提示価格をプラットフォーム上で比較し、最低価格を選別できる。第二に、交通、宿泊、飲食など出張旅行全般に関して、精算申請および支払いサービスを提供する。従業員の出張精算申請が社内規定に合っているかをチェックし、経理部門へ結果を自動的に通知することで、従業員の出張精算を簡略化し、経理部門の負担を軽減する。第三に、出張を目標予算内で収めた従業員にポイントを付与し、従業員が自発的に低価格の出張プランを選択するよう働きかけ、社内規定に合わない出張を減らす仕組みを構築している。

Z-tripはプラットフォームを利用する従業員の利便性向上にも積極的に取り組んでいる。企業の出張規定や従業員の嗜好、天気・交通情報などに基づき、各従業員に最適なプランを提案。ワンクリックで予約が完了できる上、飛行機の遅延情報などを即時提供するとともに、旅程変更の提案も行う。さらに、AIを併用したカスタマーサービスにより、出張中に起こりうる突発的な状況に24時間対応する。

Z-tripは現在、複合企業「復星集団(Fosun Group)」や建設コンサルティング大手「中国中建設計集団((China Construction Engineering Design Group )」、保険大手「平安集団(Ping An Group)」をはじめ大手・中堅企業800社にサービスを提供。次年度契約継続率は95%に上る。2019年の売上高は前年の3倍に伸び、数億元(数十億円)に達している。サプライヤーからのバックマージンへの過度な依存はなく、企業へのサービス提供料を主な収益源とする点が、従来のTMC企業とは異なる。

中国のTMC業界では、2019年の取引総額が270億元(約4000億円)だった「携程商旅(Ctrip Corporate Travel )」を筆頭に「美亜商旅(Shine Tour)」「領創A卡(myacard)」「貝塔商旅( betatrip)」などがしのぎを削っている。しかし、中国の出張旅行市場には巨大なポテンシャルがあり、さまざまなタイプのBTM企業が成長する余地が十分に残されている。

Z-tripは、実際の利用者である従業員の満足度を高めつつ、企業にとって合理的な出張旅行を提供し、コスト削減を実現していく。

創業者の黄従偉氏はビジネストラベル分野に、共同創業者の朱白帆氏は企業コンサルティングに、それぞれ十数年携わってきた。幹部にはアリババグループや京東(JD.com)、百度(バイドゥ)、デロイト・トウシュ・トーマツの出身者が並ぶ。現在の社内組織は、カスタマーサービスチーム100人、ビジネスコンサルタント22人のほか、エンジニアチーム約80人と営業チーム約30人の計約250人で構成されている。(翻訳・田村広子)

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