KDDIとも提携の中国ARグラス「Nreal Light」が海外進出加速、韓LG系キャリアから発売

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KDDIとも提携の中国ARグラス「Nreal Light」が海外進出加速、韓LG系キャリアから発売

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MR(複合現実)技術を手掛ける「Nreal」はこのほど、韓国LGグループ傘下の通信キャリア「LG U+(LGユープラス)」と共同で、ARグラス「Nreal Light」を一般消費者向けに販売することを発表した。Nreal LightはサムスンのNote 20、LGのVelvetなどのスマートフォンとLG U+の5Gデータプランとのセット価格で提供される。Nreal Lightは単独で購入する場合、69万9000ウォン(約6万2000円)だが、セット価格なら34万9000ウォン(約3万1000円)で購入できる。8月11日にLG U+のネットショップで注文予約が開始され、8月21日からはLG U+の実店舗でも順次販売が開始される。

Nreal Lightの発表会の様子

AR/VRデバイスはスマホなどの端末の利用体験をスマホのディスプレイの枠を超えて拡張し、ソーシャルメディア、動画チャット、ネットショッピング、オンライン授業など日常的に利用されるコンテンツをより没入感のあるものに変化させることができる。

一般消費者向けにカスタマイズされた今回のNreal Lightは、サングラスのような形をしており88gと軽量で小さい。52度の視野角を持ち、1080ピクセルの3Dディスプレイを搭載し、携帯型IMAXサイズのスクリーン体験が可能だ。またUSB Type-Cでスマホと接続し、同時に立ち上げた複数のアプリを一目で確認することができる。

Nreal Light にはARグラス本体以外にマグネット式の度付きレンズ、サイズの異なる鼻パッド、VRカバーなどのアクセサリーも付属しており、VRカバーを利用してVRモードへの切り替えも可能だ。

Nreal LightにはNrealが独自に開発した3 Dシステム「星雲」も搭載されている。このシステムの核心は、従来の2Dアプリのスケールを3Dインターフェースへ変換することが可能であること、また全てのAndroidのネイティブアプリをサポートしていることにある。何度かのアップグレードを経て現在の星雲システムのユーザーインターフェースは、従来のスマホのユーザーインターフェースとユーザーの操作習慣に近づき、操作性も向上し、より直感的なヒューマンインターフェースとなっている。

星雲システムを利用し、カスタマイズ設定をすることで、ユーザーは同じ視野の中に3つのアプリ画面を配置することができ、映画を見ながらインターネットのブラウジングを楽しむことも可能だ。

ARデバイスの利用範囲の拡大には、アプリケーションのサポートが欠かせない。現在、Nreal LightはNrealのアプリストア「Nebula」およびLG U+との提携によって、全世界で人気のあるアプリ数百種類をサポートしており、その中にはグーグルブラウザのクローム、フェイスブック、カカオトーク、インスタグラムなどが含まれている。

LG U+のフューチャーデバイス部門執行副総裁の宋大元(Song Dae-won)氏は発表会の壇上で「Nreal Lightのコストパフォーマンスの高い価格とコンパクトなデザインが、ARグラス市場に立ちはだかる壁を取り払ってくれることを希望している。5Gは映像・音楽・エンタメ業界に大きな変革をもたらすだろう。Nreal Lightを通じてAR技術の普及を促進し、5Gの発展の波の中でAR産業を活性化させていきたい」と述べた。

LG U+は韓国の3大キャリアの1つで、2020年第2四半期の営業利益は前年同期比59.2%増の2397億ウォン(約212億円)、純利益は前年同期比52.9%増の1506億ウォン(約134億円)で、無線通信の売り上げは前年同期比3.7%増となった。

2019年4月に韓国で正式に5Gが商用化されてから2020年第2四半期までに、韓国全体の5 Gユーザーの割合は14%に達した。LG U+だけで見ると5Gユーザーの割合は16%近い。2020年上半期までにLG U+の無線ネットワークユーザーは1589万9000人に達し、そのうちLTEと5Gユーザーが97.1%を占めた。

これまでAR/VRデバイスの普及はサイズが大きい、価格が高い、利用できるコンテンツが少ないことによって妨げられてきたが、最近のARグラスは徐々にこれらの課題を解決し、消費者の日常に溶け込みつつある。超高速で低遅延の5Gネットワークの普及が、AR/VRデバイスのユーザー体験をより良いものにすると同時に、多くのAR/VR対応コンテンツが登場する追い風となっている。

Nreal Lightの使用イメージ

キャリアにとっては5Gの超高速ネットワークに適したユニークなコンテンツがユーザーを引き付ける重要な要素であり、その中でもカギとなるのがAR/VRに対応するアプリだ。中国の3大キャリアである中国移動(チャイナモバイル)、中国聯通(チャイナユニコム)、中国電信(チャイナテレコム)もこの方面に力を入れている。

LG U+も同様にAR/VR対応アプリを重視しており、提携パートナーと共に5Gに対応したU+VR、U+AR、クラウドVR、U+ARショッピングなどのサービスを展開している。

自社製の高品質なAR/VRコンテンツにより、2019年末までにLG U+のAR/VRユーザー数は60万人を超え、そのうち5Gユーザーが5割以上を占めた。AR/VR対応の映像作品数は5G商用サービス開始初期の600本から4000本以上にまで増加した。

LG U+は今年、Nreal Lightに対応する独自アプリをリリースする予定だ。NrealとLG U+の提携は、従来型の通信キャリアに5GとAR/VRの融合という新しいビジネスモデルをもたらすと同時に、新興のAR/VR企業にも新たな発展の可能性を提示している。

Nrealは2019年5月、KDDI株式会社と戦略的パートナーシップを締結した。Nreal Lightの国内利用に向けた対応をサポートしていく。(翻訳・普洱)

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