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銀行の窓口業務をバーチャル化させるサービスを手がける「飛虎互動科技(Feihu Interactive Technology)」が中国のIT大手テンセントから戦略的出資を受けた。金額は非公開。
中国の企業情報サイト・天眼査(Tianyancha)によると、飛虎互動科技は先月末に登記内容を変更、資本金を1500万元(約2億3000万円)から26.32%増資して1895万元(約2億9000万円)とした。さらに新株主としてテンセント傘下の「騰訊産業創投(Tencent Industry Venture Capital)」の名が加わり、その持ち株比率は20.83%だという。また同じくテンセント系の「騰訊金融雲(Tencent Financial Cloud)」の胡利明総経理が新取締役として名を連ねた。
飛虎互動は動画サービスを金融業務に活かす取り組みを行っている。コア製品「Video Branch」は、従来ならば銀行の窓口に出向かなければならなかった各種手続きをオンラインに移行させ、ビデオ通話を通じて対応するもので、身分照合のオンライン化やモバイルセキュリティの確保、音声・映像の記録機能などによって業務上のコンプライアンス、リスクマネジメントなどの課題を解決する。
銀行窓口のバーチャル化によって、従来は各営業所で対応していた各種対面サービス、融資申請、法人口座開設などはスマートフォンのアプリや「WeChat(微信)」エコシステムを通じて行えるようになった。ワンクリックでテラーを呼び出し、ビデオ通話サービスを開始できる。必要なサービス内容によって適切なテラーが割り振られ、その他の必要が生じた場合には速やかに担当者を替え、顧客を待たせることがない。テラーは共有画面を通じて顧客に操作方法を指南することもできる。こうした窓口業務以外にもビデオ通話システムを活用したマーケティングやカスタマーサービスなども提供しているという。
金融関連の業務は安全と適時性が厳しく求められる。これまでビデオ通話が銀行業務にほとんど用いられてこなかったのはここが原因だ。しかし、新型コロナ禍で状況は一転、クラウド通信が各業界で浸透した。とくに銀行、保険業界は競争の焦点になると予想される。さらにコロナ禍が終息しても、業務効率やサービスの質向上を長期的に実現するものとして銀行のデジタル化を推進していくだろう。
テンセントが飛虎互動に注目したのは昨年だ。同年8月にはテンセントによるSaaSアクセラレータープログラム第1期に選出されている。SaaS分野はテンセント産業アクセラレータープログラムの重要な一角を占めており、選ばれたプロジェクトには技術、資金、資源など手厚い支援がなされる。
テンセントのSVPでクラウド・スマートインダストリー事業群(CSIG)を統括する湯道生(ドーソン・トン)氏は今年7月に開催された中国インターネット大会のフォーラムに登壇し、飛虎互動に言及した。同社はテンセントが提供する通信ミドルウェアのバックボーンネットワークや、音声や映像を無遅延で転送する技術を活用してバーチャルの銀行窓口を構築し、すでに数十を超える銀行で高評価を得ているとともに、新型コロナの感染拡大期間に武漢市のある湖北省で広く導入されたと説明した。
同社の創業者兼CEOの石海東氏は清華大学でコンピューターを専攻し修士号を取得、中国のITベンダー大手「神州数碼集団(Digital China Group)」でVPを務めた人物だ。(翻訳・愛玉)
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