シャオミ支援のスマート掃除ロボ「Dreame」、シリーズB+で約15億円を調達

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シャオミ支援のスマート掃除ロボ「Dreame」、シリーズB+で約15億円を調達

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シャオミは自社が投資する企業を「生態系(エコシステム)」と総称しているが、現在では衛生・美容分野のスマート家電メーカー「Dreame Technology(追覓科技)」に注目しているという。

Dreameは最近、シリーズB+で約1億元(約15億円)を調達した。リードインベスターはIDGキャピタル、コ・インベスターは「シャオミ(小米科技)」「順為資本(Shunwei Inc)」「峰谷資本(Peak Valley Capital)」「青鋭創投(Edge Ventures)」だ。資金は技術の研究開発と革新、販売チャネルの運用と構築、ブランディング、各消費シーンに応じた商品カテゴリーの拡張に充てられるとのこと。

Dreameは2015年に設立された。その前身は、創業者の俞浩氏が清華大学時代に設立した「天空工場(Skyworks)」で、2017年末にシャオミ生態系に加入した。同社は高速モーターのパイオニアであり、空気力学、Visual SLAM(カメラで撮影した映像に基づいて環境の3D情報とカメラの位置や姿勢を同時に推定する技術)、ロボット制御などの技術的強みを生かした一連の革新的な製品を作り出している。

写真提供:Dreame

消費のアップグレードに伴い、家電のスマート化がトレンドになっている。従来のほうきやモップから手持ち式の掃除機、さらには掃除ロボットへとアップグレードしていく時、新しいブランドは迅速に発展する機会を得る。コロナ禍もまた、衛生や健康関連家電市場の成長を加速させた。「2020年上半期 中国家電市場レポート」によると、上半期の掃除機(掃除ロボットを含む)の小売売上高は前年より14.7%増加し、小売数量は前年より15.7%増加したという。

Dreameが自社開発し最近リリースした掃除ロボット「慧目F9掃地機器人」には、最先端のビジュアルナビゲーションなど、15の最先端技術が詰め込まれているという。

写真提供:Dreame

Dreameは今年後半に、コストパフォーマンスと使い心地を重視した新ブランド「大未(Dawei)」も立ち上げる計画だ。新ブランドでは若手サラリーマンを主要ターゲットにしており、これまでのDreameの位置付けとの差異化を図った。また若手サラリーマンの消費や生活シーンで活躍する革新的な商品を増やしていく予定だ。

Dreameの研究開発の中心メンバーは清華大学航天航空学院の卒業生で構成されており、従業員の80%がエンジニア、研究開発費は年間売上高の12%を占める。

同社が公開した特許は418件以上あり、高速デジタルモーターやマルチサイクロン分離技術などの強みを生かした掃除機の出荷台数は100万台を超えている。

写真提供:Dreame

技術の研究開発、製品設計、製品選択、マーケティングなどでの差別化が功を奏し、Dreameの海外での売上がブランドに占める割合は約70%に達する。現在、同ブランドのワイヤレス掃除機「V10」は80カ国以上で販売されており、2019年にはアリババの海外向け越境ECサイト「アリエクスプレス(Aliexpress)」(スペイン)の掃除機部門で販売台数トップに輝いた。今年の初めに開催された世界最大のコンシューマー・エレクトロニクス見本市「CES2020」では、Dreameのワイヤレス掃除機は「ベスト・オブ・イノベーションアワード」を受賞している。

Dreameの孫景CFOは、海外市場には中国の家電メーカーにとっての長期的な機会があると見ている。消費者側から見ると、海外の家電市場は2桁の成長を維持しており、シャオミやファーウェイなどの中国企業は、海外および越境ビジネスでベンチマークと影響力を確立している。また供給側から見ると、国内ブランドは世界最高のサプライチェーン能力、優れた研究開発能力、コアテクノロジー、コアコンポーネントを掌握しており、グローバルな販売能力とブランド力も日増しに高まっている。優れた企業や製品には、海外に出てグローバルな配当を得る機会があるのだ。

投資家のコメント

今回のリードインベスターであるIDGキャピタルのパートナー連盟氏は「貿易、産業、テクノロジーの進化の過程で、世界の清掃機器製造の半分以上を占める蘇州は、当然、絶えず技術的進歩を追求する企業が現れ、新しい製品体験を世界にもたらし、よりクリーンで便利な素晴らしい生活をユーザーにもたらす。Dreameはこのような時代におけるそうした企業だと我々は信じている」と語っている。

順為資本のパートナー李鋭氏も「当社は、2018年のエンジェルラウンドからDreameに出資してきた。Dreameは2017年末にシャオミ生態系に参加して以来、高速ブラシレスモーター技術、ノイズ低減技術、空気力学技術などの研究開発に取り組んできた。最近リリースされた新製品は我々に中国ブランドの技術力を見せてくれた。当社はスマート家電業界を非常に楽観視しており、今回の追加投資はDreameと同社製品への評価でもある。Dreameは今後もサプライズを与え、中国ブランドを世界に輝かせてくれると信じている」と語った。

(翻訳・永野倫子)

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