目指すは中国版マツキヨ 日本商品が買える越境EC「美刻生活」が1.5億円以上調達

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目指すは中国版マツキヨ 日本商品が買える越境EC「美刻生活」が1.5億円以上調達

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日本の商品を扱う越境ECプラットフォーム「美刻生活(Meike Shenghuo)」の運営会社「馬賽瑪拉科技(Masai Mara)」がエンジェルラウンドで「惟一資本(We Capital)」から約1000万元(約1億5000万円)以上を調達した。今回調達した資金はB2Cオンラインショッピングモールの拡大や前置倉庫モデルの試行、チームビルディングに充てるという。

近年、越境ECの成長が目覚ましい中国で、日本の商品が広く人気を博しており、ベビー用品、日用品、コスメなどが急速に売り上げを伸ばしている。中国税関総署の統計によれば、2018年に日本から中国に輸入された1440億ドル(約15兆円)の商品のうち、日用品やコスメが23.7%を占めたという。統計に含まれていない代理購入・直送品などの売り上げや輸入される商品の種類の少なさを考えると、市場には依然として大きな増加の見込みがあると言える。

中国から日本の商品を買う場合、人に代理購入をお願いするか、越境ECやブランド旗艦店を利用するケースがほとんどだった。美刻生活はコミュニティーやソーシャルにフォーカスしてこの分野に参入し、消費者に身近な中国版「マツモトキヨシ」を目指している。

創業者でCEOの王海氏によれば、GDP成長率や人口構成からすると、現在の中国大都市の消費市場は90年代の日本によく似ているという。そこから考えて、これからドラッグストアのような形態が中国でも爆発的に成長するのではないかと王氏は見る。

美刻生活のビジネスモデルは「B2BA2C」、つまり事業者(B)と消費者(C)の間にビューティーアドバイザー(BA)を置いてサービスを提供するというものだ。このビューティーアドバイザーはコスメカウンターの美容部員のようなもので、ブランドサイドに立ち専門的なサービスを提供したり、顧客のフォローを行ったりする。販売員や子育て中のママ、代理購入のバイヤーなどがアドバイザーを務めている。

美刻生活は日本で実際にドラッグストアを経営しており、中国の医薬品経営許可や国際貿易許可を取得するなど、十分な参入障壁を築いている。

美刻生活の新宿店

美刻生活は現時点でベビー用品、コスメ、日用雑貨、医薬品、スナックなど幅広いカテゴリの日本ブランド300余りを取り扱っており、日本の店舗や中国EC大手「タオバオ」の個人ショップ、旗艦店、代理購入などに比べて10%~40%安いという。

商品は直送の他にコミュニティーの受け取りスポットを指定することもできる。受け取りスポットを利用する場合は、ビューティーアドバイザーが注文や商品のお届けを一括して請け負う。一部の人気商品は、同じ居住区の住人同士で注文をまとめる共同購入方式に対応しており、送料を複数で分担すればさらにコストを抑えることができる。

また四川省成都市に体験型店舗「美刻生活館」をオープンさせ、実際に見て体験したり、その場で購入したりできるようにしている。これ以外にも多様で地元に密着した販路の開拓を進めており、WeChatのエコシステムを活用した販売チャネルのほか、越境ECサイト「天猫国際(Tmall Global)」や「京東国際(JD Worldwide)」などの外部プラットフォームに旗艦店を出すことも計画中だという。

WeChatミニプログラム内の美刻生活

美刻生活は2019年6月に設立され、今年2月からオンライン運用を開始した。現在、600人以上のビューティーアドバイザーを抱え、注文件数は10万件を超えている。創業者の王氏はプロジェクトマネージャー出身のシリアルアントレプレナーで、過去に日本でライブ動画配信アプリ「Stager Live」を立ち上げた経歴を持つ。創業チームはバイドゥ(百度)などのIT企業のほか、日本の伊勢丹やマツモトキヨシなど小売業経験者で構成されており、新たな業態を生み出すには複合的なチームが必要だという王氏の考え方が反映されている。

出資者である惟一資本エンジェル基金の創業パートナー鄭連発氏は次のようにコメントしている。「ドラッグストアのビジネスは急成長と変化の可能性に満ちており、それぞれの品目のラインナップや機能性、クオリティーなどには大きな改善の余地がある。美刻生活のチームは着実勤勉で、商品やユーザーへの理解が深いだけでなく、小売業や販路にも詳しい。我々は大いに期待を寄せている」(翻訳・畠中裕子)


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