中国フィンテック企業「CardInfoLink」が日本から42億円を調達 キャッシュレス決済の基盤システムを提供

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決済のプロセンシングサービスを提供する「訊聯数拠(CardInfoLink)」が、シリーズCで4000万ドル(約42億円)を調達したことがわかった。出資者は日本の金融システムインテグレーターのTIS株式会社。調達した資金は、訊聯数拠がアジア太平洋地域で展開する決済基幹ネットワークの「EVONET」の開発に使われる。

訊聯数拠は2017年に同じくTIS株式会社の出資で、シリーズBの資金調達を行った。2014年末には、セコイア・キャピタルから1300万ドル(約13億7000万円)を調達している。

現在のキャッシュレス決済には、主にカードを使うものと、スマホによるモバイル決済の2種類がある。いずれも、第三者決済機関または銀行に取引情報を送り、集計、精算した後に店舗に入金される形となる。しかし、中小の銀行や第三者決済機関が、自力で決済のプラットフォームを作ることは困難であり、訊聯数拠はこうした顧客向けにキャッシュレス決済の基盤となる技術を提供する。

同社は2010年に設立され、現在海外市場にも事業を広げている。2017年以降の売上高の年平均成長率は30%を超える。

中国国内市場での展開

訊聯数拠の朱佳胤総裁によると、設立当初は、中国国内の銀行向けに、国内外のクレジットカードの決済システム、海外ブランドのクレジットカードの発行システムを提供していたという。この事業によって、同社は大手カード会社と取引を行うことができ、現在銀聯、VISA、MasterCard、アメリカン・エキスプレス、JCB、ダイナーズクラブカードなどに対応している。その後、銀行向けにカードやQRコード決済が一体化した総合決済システムを提供するようになり、取引の受理、精算、トラブルシューティングなどを自動化させた。

小売店舗向けには、各種の第三者決済をまとめたシステムを提供している。訊聯数拠のシステムを利用すれば、中国で使用できる第三者決済サービスがほぼすべて使えるようになり、別途手続きが不要となる。このシステムを利用している店舗は現在400万店以上に上る。そのうえで、同社は店舗向けに有料の金融サービスやマーケティングサービスを提供している。

海外市場での展開

中国のキャッシュレス決済は2016年頃から海外展開を開始し、訊聯数拠はそれと同時に海外に進出した。

海外市場と中国の違いについて、朱総裁は、海外市場のほうがキャッシュレス決済への抵抗感が強いこと、そしてシステム連携のコストが高いことを指摘する。

そのため、訊聯数拠はアジア太平洋地域でキャッシュレス決済の基盤システムとして、「EVONET」の開発を始めた。EVONETにはカード決済、モバイル決済システムが統合され、各種クレジットカードやメジャーなスマホウォレットサービスに対応している。決済機関や各種ウォレットサービスは、EVONETに対応できるようにすれば、様々なキャッシュレス決済に対応できるようになるため、コストを抑制することができる。

同社は30カ国・地域で事業を展開しており、中国本土のほか、香港、東京、バンコク、シンガポールに現地法人を持っている。(翻訳:小六)


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