史上最大IPOのアントの上場延期は「がっかりと同時にほっとした」ーー香港証取CEO

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史上最大IPOのアントの上場延期は「がっかりと同時にほっとした」ーー香港証取CEO

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先ごろ開催された米CNBC主催のカンファレンス「East Tech West 2020」で、香港証券取引所(HKEx)の李小加(チャールズ・リー)CEOが記者のインタビューに答え、アリババ傘下のフィンテック企業「アント・グループ(螞蟻集団)」の上場延期や中国テクノロジーの世界的な競争力について自身の考えを語った。以下は36Krがインタビュー内容を整理したもの。

――今年すでに120社以上が香港証券取引所に上場していますが、中でも大きな期待を集めていたのがアント・グループでした。上場延期となった理由や同社への影響についてどのようにお考えですか。

「今年はIPOによる調達額だけでなく、上場企業の数の面でも非常に規模が大きい。アント・グループの上場延期を聞いたときには、がっかりしたと同時にほっとした自分がいた。アントの上場は史上最大規模と言われており、世界の資本市場に大きなインパクトを与えうるものだ。香港証券取引所のCEOとして、このような大規模上場を見ることができるのは大きな喜びだ」

「一方でほっとしたのは、監督管理機関が毅然と事態に介入してくれたのを見たからだ。そしてテクノロジー主導の新業態や従来型金融業との連携を始めとする金融業全体の再構築に動いてくれている。しばらく待ち、監督管理機関の審査を終えてから再度上場を試みるほうが、誰にとっても益となるだろう」

――現在のような監督管理の環境では、企業は上場に対しより慎重になるでしょうか。それとも出資者のほうが注意深くなるのでしょうか。

「長期的に見れば、明確な監督管理はルールに沿った取引を促すため市場にとってプラスに働く。ただ短期的に見れば、投資家の出資スケジュールに一定の影響が及ぶだろう。監督管理部門が状況を把握できないうちに急いで上場するのではなく、業態のリスクを確実に理解し、不安要素をきっちり取り除いた上で上場することが必要だ」

「では監督管理の基準がこれほど頻繁に変わるのに、事前に関与するのではなく、いよいよ上場という最終段階になって初めて介入するのはなぜか、と言う人もいる。これに関して私個人の意見を述べることはできない。これは中国の監督管理機関が管轄していることだ。その業務や意思決定も十分な準備のもと行われていると私は確信している」

――アリババは昨年11月に香港で上場し、現在ではハンセン指数に組み入れられたブルーチップとなっています。ブルーチップ株には新しい経済業態の企業も多く採用されているのでしょうか。

「その通りだ。多くの新しい企業がハンセン指数に含められている。この指数は中国の投資家が注目する成長のチャンスや価値を反映している」

――中国は今ますますデジタル化が進んでおり、AIやブロックチェーン、ビッグデータを活用するスキルは他国市場を上回っています。中国は世界のテクノロジーにおけるリーダー的存在だとお考えですか。

「基礎研究やテクノロジーの進展で言えば、中国が米国を超えるにはさらなる時間と投資が必要だろう。資金の投入だけでなく人材面や政策面での投資も欠かせない。しかし業界におけるテクノロジー活用という点では、中国の競争力は極めて大きい。中国のデジタル化が進むにつれて、中国の発言権が増し、自国経済を含む経済全体の秩序を再構築することになるだろう」

――任期満了を待たずに今年末をもって退任されるとのことです。在任中には本当に多くのことを成し遂げてこられましたが、その中で最大の収穫は何でしたか。

「CEOを務めた11年間、どの瞬間も楽しいものだった。その中で私が最も興奮したのは、香港証券取引所で感じる強い使命感や許容の文化だ。私が退任したら、新たなリーダーがこの証券取引所をさらなる高みに引き上げてくれることだろう」
(翻訳・畠中裕子)

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