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1999年から始まったテンセントの大人気チャットアプリ「QQ」には、グループチャット、ファイル送付、チャット履歴などさまざまな機能がある。
このほどQQが既読機能についての投票を行い、ネットで話題になった。この機能は便利だという人もいれば、QQがこの機能を追加したらすぐにアンインストールするという人もいた。5844人が参加し、約75%は反対票を入れた。
「既読」機能は必要か
質問は、「QQに既読機能があったほうがよいか」だった。
テンセントのもう一つのSNSアプリ「WeChat(微信)」は世界中で10億人以上のユーザーを抱えている。かつて「なぜ既読機能がないのか」という疑問の声もあったが、当時WeChat運営側は、WeChatの使用がユーザーの負担になってほしくないとしていた。
「既読」機能の功罪
ソーシャルアプリに「既読」機能が必要かどうか、これまでも議論になっていた。
「既読」機能を付けたチャットアプリは珍しくなく、例えばアリババ傘下の企業向けコミュニケーションツール「釘釘(DingTalk)」、LBS(位置情報サービス)連動マッチングアプリ「陌陌(MOMO)」、アリババのショッピングプラットフォームへの出店企業向けチャットツール「阿里旺旺(Ali Wangwang)」や人材マッチングサイトの「Boss直聘(Boss Zhipin)」などは取り入れている。「既読」機能によってコミュニケーションの効率を上げ、使いやすくするためだ。
しかし、テンセントのQQ、WeChatはチャットアプリであって、業務用ツールではない。日常会話が主体で、メッセージを受け取った側は通常返信が必要というわけでもなく、返信しなくても問題ない。
「既読」機能の意義とは
では、「既読」機能はどこに価値があるのか。業界関係者によると、「既読」機能の最大の効果は、知り合いではない人との連絡における返信率や返信効率が低い状況の改善にある。交流、ショッピング、人材マッチングプラットフォームの開発者への調査に対し、ある開発者は、これらのプラットフォームのユーザーは相手に送ったメッセージに返信が来ているかどうかを重視するので、「既読」機能があれば時間の無駄が省けると話していた。
ユーザーからすれば、送信側は「既読」表示で自分のメッセージが無事に送信されたことが確認でき、同時に相手に返信を催促できる。受信側は「既読」表示によりメッセージを読んだことが相手に伝わるので、「返信をしない」ことによってでも意思表示ができ、時間の節約になる。ショッピングプラットフォームの顧客サービスは自分がメッセージを読んだことを相手に認識させた後、すぐに返信することで相手に積極性を示し、サービス向上をさせて顧客をつなぎ留めることにつながる。
こうしてみると、「既読」機能の最大の長所はコミュニケーション効率の向上にある。問題は、QQやWeChatでは基本的に知り合いの間でのやり取りが行われるということだ。知り合いならば効率の良いコミュニケーションには直接電話をすればよく、そうなると「既読」機能も意味がない。近年、QQはユーザーのアクティブ率向上のためにさまざまな試みを行ってきたが、最終的には機能が過剰になっていた。無駄な機能を省いてQQの基本機能であるグループチャットに重点を置いてはどうだろうか。
(翻訳・二胡)
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