アリババ・テンセントが世界最大の広告代理店WPPへの資本参加を計画

分衆伝媒(フォーカスメディア)に引き続き、アリババは世界的な広告業大手WPPの株式を取得すると伝えられ、今回のリストにはテンセントの名も見られる。

イギリスメディアのSky Newsは、中国ハイテク大手のアリババとテンセント、そして華人文化産業投資基金(China Media Capital;CMC)が世界最大の広告コミュニケーショングループWPPの中国事業の株式購入に意欲を示しており、現在交渉は初期段階であると伝えた。Sky Newsは関係者による情報を引用し、今回の交渉は成立までに恐らく数ヶ月かかり、事業の評価額は20億~25億ドルの間になると予想していると報じた。この他、WPPは現在企業のCEOの後継者を求めているとのことだ。

アリババとテンセントが同時に同じ企業を買収することは稀で、両者の最近の共同投資は、リードインベスターを務めたCMCのシリーズAラウンド融資である。注意すべきは、CMCも今回の買収元に名を連ねていることである。Sky Newsの報道によれば、CMCを率いる黎瑞剛氏は以前WPPの株式売却の討議に参加していたが、アリババとテンセントによる今回の買収のための橋渡しだったのかもしれない。

WPPグループ本部はロンドンにあり、世界第1位の広告代理グループである。WPPは傘下に、オグルビー・アンド・メイザー、ジェイ・ウォルター・トンプソン、マインドシェア、ヤング・アンド・ルビカム等伝統的広告大手を含む60以上の広告代理企業を擁し、全世界の大部分にオフラインのマーケティングチャネルリソースを持っている。

フォーカスメディア株式取得の理由と同じように、アリババの今回のWPP株式取得もマーケティングチャネルを開拓し、新小売戦略により多くのトラフィックを導くために他ならない。具体的に言えば、アリババは莫大なビッグデータを保有おり、傘下のアリママと授権宝がデジタルマーケティングの分野で絶対的優位に立っている一方で、フォーカスメディアやWPPはオフラインマーケティングに長けている。両者の提携はオムニチャネルでのプレシジョンマーケティングを進展させ、広告を消費者に更にダイレクトで迅速にリーチし、ECプラットフォームにトラフィックを導き、売上に転換する。

テンセントについては、WPP株式取得は広告システムを充実させるためである。ゲームによる収入の比率を下げるため、テンセントは積極的に、WeChatモーメンツ広告、ミニプログラムやニュースフィードの広告等といった広告事業を拡大させている。同時にテンセントはWeChatシステムをベースにECをレイアウトし、消費を刺激しEC事業を発展させるには広告による誘導が欠かせない。

もし取引成立ならば、伝統的マーケティングサービス業界とデジタルテクノロジー業界のさらなる融合の表れである。同時に、デジタル分析という分野のスピーディーな発展も両業界のモデルチェンジを促した。

現在、伝統的広告業はまさに内憂外患に直面している。

WPPグループを例としてとりあげると、内側では、創業者の退職に直面し、株価下落と共に二重のリスクにさらされている。財務報告では、2017年、WPPグループの収入は0.9%ダウンして152億ポンドとなり、2009年のグレートリセッション以来最悪となった。これ以外に、WPPは2018年の営業収入は横ばいで、ゼロ成長だろうと予測している。

外側では、デジタルマーケティングの台頭に伴い、広告業は急激な変化プロセスの真っ只中にある。全世界で、WPP等伝統的広告企業は、GoogleやFacebook、そしてAmazon等ECの躍進を目の当たりにしており、インターネット大手は伝統的広告代理モデルをまさに転覆させつつある。

WPPはデジタルマーケティング事業を発展させざるを得ず、GoogleやAmazon等ハイテク大手が現在思うに任せないでいる中国市場に進出する。

テンセントとアリババはそれぞれWeChatとAlipay等のアプリにより中国デジタル広告市場を山分けしており、小売業やオンラインミュージックのストリーミングメディア等ニッチ分野一つ一つに浸透しているようである。WPPが両者と提携すればデジタルマーケティングの波の中で主導権をより一層占有できるだろう。

報道によれば、もしWPPとテンセント・アリババの取引が成立すれば、WPPは中国事業の総代理権を新たな持ち株会社に任せるとのことだ。企業内に中国の株主を取り込むことは、WPPがローカライズされた事業を発展させるための一つのステップになるだろう。

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