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世界のドローン市場は、圧倒的シェアを握る「DJI(大疆創新)」の一強状態だ。一方で無数のドローンメーカーが製品の差別化に腐心しており、ニッチ市場でその手腕を発揮しようと機会をうかがっている。
2014年創業の「Autel Robotics(深圳市道通智能航空技術)」もその一社だ。米国シアトルとドイツのミュンヘンに支社を構え、2015年に海外市場で最初のドローン「X-Star」をリリースした。昨年4月には中国市場で折りたたみ式の「EVO Ⅱ」シリーズを発表し、9月には「Dragon Fish」、RTKモジュールを搭載した「EVO Ⅱ RTK」を投入した。
EVOⅡシリーズには、スタンダードモデルに加え「EVO Ⅱ Pro」「EVO Ⅱ Dual 640T」という3つのモデルがそろっている。
「EVO Ⅱ」は販売価格179,400円(税抜き)、「EVO Ⅱ Pro」は215,400円(税抜き)で、それぞれDJIのMavic 2 Zoom(150,000円、税抜き)とMavic 2 Pro(179,600円、税抜き)をベンチマークにしている。
比較するとEVO Ⅱの方が高価だが、性能面で上回っている部分も多い。DJI Mavic 2が4K撮影なのに対し、EVO Ⅱは折りたたみ式では世界で初めて8Kカメラを搭載、Proも6Kに対応している。より高度な障害物回避や自動追跡機能を備え、最大飛行時間はMavic 2より長い40分を実現した。
EVO Ⅱ Dual 640Tは高解像度の赤外線サーマルカメラを搭載しており、640×512ドットの熱画像撮影ができるほか、2~15メートルの範囲内の熱源を検知することができる。
Dragon FishシリーズにはLite、Standard、Proの3つのバリエーションがあり、いずれもチルトローターを採用している。流体力学に基づいた設計を施し、最大飛行時間は120分、映像伝送距離は約30キロメートルに及ぶ。用途に応じてデュアルセンサーカメラ、トリプルセンサーカメラ、マルチスペクトルカメラを選択でき、デジタル・光学ズーム合わせて最大240倍ズームが可能。
現在、Autelのドローンは電力設備の巡回検査、森林防火、交通監視、警察業務などに活用されている。
同社の創業者で董事長の李紅京氏は、2004年に自動車用電子部品や各種機能の診断装置を手がける「深圳市道通科技(Autel Intelligent Technology)」を立ち上げた。そして同社のドローン事業がスピンオフしてAutel Roboticsの設立に至ったのだ。
ドローン業界への参入を決めた理由について李氏は、AIロボット市場のポテンシャルに期待できると判断したからだと語る。実際、中国のドローン市場の規模は現在の300億元(約5200億円)から5年以内に1000億元(約1兆7200億円)に達すると見込まれている。さらに、それまでの10年間に道通科技で蓄積してきた経験が、世界の強豪とも渡り合っていけるという自信につながったという。
Autelは具体的なデータを公表していないが、李氏が明かしたところによると昨年の売上高は数億元(数十億円)に上ったという。現在は高性能ドローンに注力しているが、将来的には廉価な製品のリリースも考えているという。
(翻訳・畠中裕子)
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