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自動運転スタートアップの「元戎啓行(DeepRoute.ai)」がこのほど、新車にオプションとして搭載できる自動運転ソリューション「DeepRoute-Driver 2.0」を発表した。価格は1万ドル(約110万円)以下。
同ソリューションを搭載した自動運転車は都市部の複雑な道路状況でもスムーズに走行できる上、価格の点でほぼ同水準の米テスラの高度運転支援ソフト「FSD(Full Self-Driving)」を搭載した自動車よりも優れたパフォーマンスを示すという。
これまでにも複数の企業が「レベル4」の自動運転車を開発し、ロボタクシーとして大規模展開することで既存のモビリティ市場に変革を起こそうと試みてきた。中でも米グーグルは2009年から自動運転車の開発に取り組み、16年には自動運転車開発部門を分社化して「Waymo(ウェイモ)」を誕生させている。ウェイモの評価額は一時1800億ドル(約20兆円)まで膨らんだものの、現在は約300億ドル(約3兆3000億円)にしぼんでいる。
一方、テスラは自動運転を支援するソリューションを進化させ続け、技術的価値も市場における評価も高めていった。同社の時価総額(今年10月時点)が1兆ドル(約110兆円)を超えたことで、自動運転車そのものの開発に取り組んでいたウェイモとその追随者たちは頭を抱えることになった。
元戎啓行は昨年9月、シリーズBでアリババ集団などから3億ドル(約330億円)を調達した。その際、スーパーマーケットの商品配送や宅配便など都市部の貨物輸送に小型の自動運転トラックを投入する方針を明らかにしていた。
この資金調達に先立ち、同社のロボタクシーは広東省深圳市、湖北省武漢市および浙江省杭州市で試験運用を開始している。試験用車両は年内にも150台を超える見通しとなっている。
しかし、都市部の貨物輸送とロボタクシーだけでは短期間で市場の期待に応えられない。自動運転の技術的向上に必要とされる膨大な量のデータを蓄積することもできない。
元戎啓行はこのように考えたからこそ、DeepRoute-Driver 2.0をリリースした。低価格かつ大量生産可能な自動運転ソリューションで、自動車メーカーにアプローチすることとしたのだ。
DeepRoute-Driver 2.0には「速騰聚創(RoboSense)」と「一径科技(Zvision)」によるソリッドステート式LiDARセンサー5台が用いられている。ソリッドステート式LiDARセンサーは、機械式LiDARセンサーよりも低コストで寿命が長い上、実証実験が比較的容易だという。
元戎啓行は自動運転システムのハードウエア依存を解消するため、技術の向上に取り組んできた。また、業界全体にも大きな変化があり、LiDARの価格が1万元(約18万円)台から安いものなら1000元(約1万8000円)台まで下がったことも、DeepRoute-Driver 2.0を1万ドル程度で提供できるようになった理由だ。
周光CEOは、元戎啓行は自動運転車の量産化に向け、技術開発から自動車メーカーとの協力、大量生産まで3段階のロードマップを描いていると説明。「すでに進めているレベル4の実証実験に続き、今後2年間は自動車メーカーとの緊密な協力によって製品の改良に取り組んでいく。2024年にはレベル4の自動運転ソリューションを搭載した自動車の大量生産を開始し、市場に打って出る計画だ」と述べた。
(翻訳・田村広子)
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