WeChatの対抗馬は? 最新SNSアプリを一気レビュー

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

ビジネス注目記事

WeChatの対抗馬は? 最新SNSアプリを一気レビュー

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

WeChatが登場して7年。 最近はSNS疲れでWeChatから遠ざかる人も多く、SNSにも新鮮さが求められている。 WeChatの勢いに陰りが見え始め、新しいSNS起業に対するベンチャーキャピタルの関心が高まっている。

最近では「子弾短信(Bullet Messaging)」が3日で1億5千万元(約24億7千万円)を調達し話題となり、11月には中国版Facebookと言われる「WeFace(微臉)」がAppストアに登場した。 このほか画像や動画をメインにしたSNS「echo瞬間」、友達を11人しか追加できない「硬核(Yinghe)」がベンチャーキャピタル注目の新SNSだ。この4つのアプリを、一般ユーザーとして1週間体験してみた。

総合評価:

1. 子弾短信 - 第二のWeChat?
早くから名は知られていたが、SNSとしては定着していなかった。その後コンテンツを強化したがトピックスが少なく、更新も遅い。WeChat風チャット、微博(ウェイボー)風トピックスなどのコンテンツを揃え、「WeChatより優秀なWeChat」を目指しているようだが、「第二のWeChat」は市場で必要とされるだろうか?

2. WeFace(微臉) - 中国のモバイル版Facebook?
Facebookを模したデザインと機能で、友達追加やタイムラインなどの画面もFacebookに似ている。アカウント登録でアドレス帳へのアクセスを許可させるのは、中国のSNSプラットフォームが犯しがちな失敗だ。投稿の仕方などは老舗SNS「人人網」と全く同じ。友達はある程度増えたが、タイムラインに流れる情報が少ない。SNSランキング初登場60位台だったが、現在は400位以下に下落している。

3. echo瞬間 - WeChat疲れの人の「花園」?
少数の友人とグループを作って情報をシェアし合うことを想定して作られたアプリだ。 友達が多くなりすぎて、近況をアップしたり、いいね!を押したりするのを負担に思い始めた「WeChat疲れ」のユーザーに、小さな交流の場を提供しようというコンセプトだ。

だが、ビジュアル中心のSNSではやはり観衆が必要だ。誰も見ていないところではおもしろい投稿をしようというモチベーションも生まれてこない。「echoは孤独な花園」と結論付けようとした時、友人のタイムラインに友人以外の投稿が流れて来た。まだテスト中の機能のようだが、見知らぬ人と繋がれなければ、SNS最大の魅力を捨てることになると、開発者が気づいたのかもしれない。

4. 硬核 - 11人のSNSとは?
今回の体験レビューで最初に使用をやめたアプリ。追加できる友達の数は11人までで、しかも相手のアカウント名がわからないと探せないなど、使い勝手が悪い。ただし、まだテスト中でアプリストアに公開されていない。

結論:

1週間で4つのアプリを試したが、結局最後まで使ったのはWeFaceとechoだった。どれもそれぞれのロジックがあり、WeChatの冗長性をシンプルに解決しようとしているのだが、ブレイクするための魅力に欠ける。子弾はランキング100位前後に位置し、機能も改善しているが、現状ではWeChatには遠く及ばない。
では、今後ブレイクするのは?

1. 3Dアバターの「Zepeto」

韓国「Snow」社の3Dアバターソーシャルアプリ「Zepeto」が人気だ。ユーザーは自分のアバターを作り、ショップで服を買ったり自室のインテリアを変えたりできる。

ZepetoはWeChat、Facebook、Twitterなどと連携できるので、急速にユーザーを獲得中だ。洋服などのアイテムを買うためのコインの販売、アプリ内の広告・ゲームなどが収入源となっている。 ただし中国では、Zepetoで作ったアバターを友達とシェアするのは結局WeChatで、という状況になっており、SNSとしての発展はまだこれからだ。

2. 音楽SNS「音遇」
人気上昇中のアプリ「音遇(inyu)」は、歌でつながるというソーシャルアプリだ。歌が上手い人だけでなく、ひどい音痴のユーザーも意外に注目される。 若者にとっては、歌のうまさよりも、むしろ面白い、笑えるという方が重要なのだ。音遇は現在SNSアプリランキング第2位だが、今後は元々歌うことに興味のない人をどうやって巻き込んでいくかが課題になってくる。

体験したアプリはどれもパーフェクトではない。しかしいずれも、変化の芽であることは間違いないだろう。

(翻訳・神江乃緒)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録