約1兆円のウォールクライミング・ロボット市場に挑む「史河科技」

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ウォールクライミング・ロボットを開発する「史河科技(Robot++)」は、シリーズ Pre-Aで2000万元(約3億2千万円)の調達を完了した。 ベンチャーキャピタル「百度風投(Baidu Ventures)」などが出資し、評価額は1億2千万元(約19億6千万円)となった。調達した資金は主に商品開発とマーケティングに使われる。

Robot++の主力製品は「ウォールクライミング・ロボット」で、主に船舶の除錆、化学物質の噴霧、火力発電設備の検査、風力発電設備のメンテナンスなど高所や危険な場所での作業で使われる。

同社のロボットは、壁の種類など作業現場に合わせて簡単に部品を組み合わせられるモジュラーデザインを採用しており、組立・分解が簡単だ。壁の表面で使うのに適しているし、一定の障害物なら越えられる。しかも、分速10mで移動できる。したがって、作業効率は人間の2倍となり、一方で総合的なコストは人間の半分ですむ。集中的に使えば半年から1年程度でコストを回収できるのだ。

しかし、ウォールクライミング・ロボットの作業環境や作業内容は様々で、多くのカスタマイズが必要になる。

この課題に対して、Robot++は以下の対策を採ってビジネス展開を急速に進める計画だ。
・最もポテンシャルが大きく、かつ標準化できるシーンを選択して、製品を実用化する
・製品をモジュール化・標準化することで、簡単にカスタマイズできるようにする
・将来的にはプラットフォームをソリューションプロバイダに開放して、ソフトウェア開発インターフェース、ハードウェア構造インターフェースなどを提供する

カスタマイズの問題を解決すると市場規模はどのくらいになるのか

同社の許華暘CEOは、船舶の除錆などのほか、太陽光発電パネルのクリーニング、配管非破壊試験、ビル外壁洗浄などを含めて、市場規模は年間約600億元(約9800億円)と見ている。同社はすでに鉄道、火力発電、風力発電、化学工業などの企業と契約しており、1千万元(約1億6000万円)に上る船舶の除錆契約も締結できる見込みだ。主要顧客には「中国船舶重工集団(CSIC)」「中国石油化工(Sinopec)」「中国アルミニウム(CHALCO)」「国家電力投資(SPIC)」等各業界のトップ企業が名を連ねている。

(翻訳・神江乃緒)

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