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中国ゲーム産業の年次総会が2021年12月14~16日に開催され、最終日の16日、「中国音像与数字出版協会遊戯出版工作委員会(GPC)」が「2021年中国ゲーム産業報告」を発表した。
報告によると、2021年の中国ゲーム市場の売上高は前年比6.4%増の2965億1300万元(約5兆3300億円)だったが、成長率は15%ポイント縮小した。ゲームライセンスの発行が9カ月間にわたって停止された2018年の成長率(5.32%)より約1ポイント高いだけだった。2021年のゲーム業界の成長率は2018年に次ぐ低さにとどまった。
ゲームライセンスの発行が2021年、再び停止された。コンテンツの著作権を監督する中国国家版権局は8月から12月16日現在まで、ライセンスを発行したゲームのリストを発表していない。2019年5月から毎月中旬または月末に実施されていた同リストの発表がストップしているのだ。年次総会ではライセンス発行の再開についての言及はなかったという。
2021年のユーザー規模は前年比0.22%増の6億6600万人だった。ここ数年、ユーザー規模の成長率は鈍化していたものの、毎年数千万人規模で増加していた。しかし、同年は前年からの増加がほとんど見られなかった。同年下半期のユーザー規模は上半期よりも減少したが、その主な要因は未成年に対するオンラインゲーム依存防止のための政策が施行されたことにあるとみられる。
ゲーム産業を管轄する国家新聞出版署が同年8月末に発表した「未成年者(18歳未満)のオンラインゲーム利用制限に関する通知」により、すべてのオンラインゲーム企業が未成年にゲームを提供する時間を金、土、日の各曜日および祝日の午後8時から9時の1時間に制限された。その他の時間はいかなる方法でも未成年へオンラインゲームを提供できなくなった。
同通知は、ユーザーの実名登録と実名ログインの徹底を厳しく求めている。条件を満たさないユーザーに対しては、いかなる方法でもゲームを提供できないとされた。
中国で独自開発されたゲームの2021年の国内売上高は前年比6.51%増の2558億1900万元(約4兆6000億円)だった。前年より156億2700万元(約2800億円)増加したものの、成長率は約20ポイント縮小している。
報告では「ゲームの独自開発はゲーム企業の主要事業だが、2021年に新しくリリースされたゲームは少なく、既存ゲームの売上高に頼る形となった。既存ゲームの消費喚起力は弱まり、課金ユーザーの消費意欲も下がっていった」と述べられている。
国内市場と比較すれば、海外市場はまだ好調な方だが、前年や前々年ほどの水準ではない。中国で独自開発されたゲームの海外での2021年の売上高は、前年比16.59%増の180億1300万元(約3200億円)に上ったが、成長率は17ポイント縮小している。
モバイルゲームの売上高を国別比率で見ると、1位の米国が全体の32.58%を占め、日本と韓国がそれぞれ18.54%と7.19%で続いた。3地域のシェアの合計は全体の58.31%に達しているが、この3年間は縮小傾向がみられる。一方、新興市場のチリやエジプトのシェアは徐々に拡大している。
eスポーツ市場の2021年の売上高とユーザー規模の成長率は大幅に減少した。特にユーザー規模はほとんど成長していない。
eスポーツ市場の売上高は2.65%増の1401億8100万元(約2兆5200億円)で、成長率は42ポイント縮小した。その要因はまず、ゲーム市場全体の規模縮小の影響がeスポーツにも及んだこと。次に、新型コロナウイルスの影響でオフラインイベントが減少したこと。最後に、未成年に対するオンラインゲーム依存防止のための政策が施行されたことにより、クラブや大会の経営に影響が出たことが挙げられる。
eスポーツのユーザー規模は0.27%増の4億8900万人だった。
ぱっとしないゲーム業界だが、唯一好調だったのはキャラクターゲームだ。モバイルのキャラゲー市場の売上高は284億2500万元(約5100億円)に上った。成長率は27.43%で、前年の3.7%を大きく上回った。ゲーム企業がこの2年近くにわたってキャラゲーゲームの開発とプロモーションを進めてきた成果だろう。
(翻訳・Qiunai)
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