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産業用ドローンを手がける「雲聖智能(ikingtec)」がシリーズB+で1億元(約18億円)以上の資金調達を完了した。シリーズBと合わせると調達額は3億元(約54億円)を超える。出資を主導したのは「方広資本(F&G Venture)」で、「歌斐資産(Gopher Asset Management)」、政府系ファンドの「国家中小企業発展基金(深圳南山有限合伙)なども出資に参加した。
雲聖智能は2017年設立。産業用ドローン、全自動ドローンポート、地上用ロボットを組み合わせた全自動巡回点検モデルを構築し、同モデルにデジタルツインやAIアルゴリズム、IoT、5Gなどの技術を融合させ、エネルギー企業などに「マシーン、ネットワーク、クラウド」一体型ソリューションを提供する企業だ。主力製品には産業用ドローンの「虎鯨」、全自動ドローンポート「虎穴」、地上型巡回ロボット「猟鷹」、四次元制御プラットフォームの「虎視」がある。
「虎鯨」は最大航続時間が66分に達し、風速レベル7(13.9-17.1m/s)までの耐風性能を備え、電磁妨害(EMI)に対する耐久性能はレベルAとされている。モバイルネットワーク通信とマイクロ波通信により巡回データのリアルタイム返送を実現した。全自動ドローンポートの虎穴は3分でドローン・虎鯨のバッテリー交換が可能で、地上型ロボット、垂直離着陸型ドローンにも対応している。四次元制御プラットフォームの虎視は、デジタルの力で物理シーンを再現し、デジタルツインオペレーションによる管理の体系化、スマート化、可視化、全自動化を実現。雲聖智能の製品システムはさまざまな産業の作業シーンに対応可能で、365日行える無人の巡回点検を実現した。
創業者の陳方平氏は1990年代生まれで、北京大学で博士号を取得した人物だ。同社にはケンブリッジ大学、北京大学、天津大学など国内外の一流大学出身のメンバーが在籍している。また、北京大学研究院、半導体大手の「紫光集団」、中国科学院出身の研究者も擁する。
雲聖智能の技術と製品はエネルギー、スマートシティ、緊急事態管理など幅広い分野に導入されている。
電力業界では、メンテナンスを行う人員が不足する中、新エネルギー発電工場と送電網の送電、変電、配電などの分野でドローンと地上型ロボット一体型の管理体制を構築し、従業員のメンテナンスサイクルすべてのデジタル化を行った。これによりメンテナンス作業の安全性、効率を高めた。同社のソリューションは「国家電網(STATE GRID Corporation of China)」なども導入している。
石油・ガスパイプラインの分野では、長距離のガスパイプラインと油ガス田での作業向けに3Dホログラム技術を活用したIoTネットワークシステムを導入した。産業用ドローンと全自動ドローンポートがデータを取得する役割を担い、デジタルツイン、AI、IoTなどの先進技術を融合させ、同産業の無人巡回モデルを完成させた。「中国石化(SINOPEC)」の天津分公司などが同ソリューションを導入している。
創業者の陳氏は、今年の売上高は1億元を超え、毎年好調なペースで成長していると語った。今後は顧客のニーズにより深く寄り添い、導入産業、応用シーンの拡大を進め、各業界が抱える悩みを解決したいとしている。
関連資料によると、2020年中国の産業用ドローンの市場規模は273億元(約4900億円)だった。今後の成長率を25%と仮定した場合、2026年に同市場規模は1041億元(約1兆9000億円)まで成長する見込みだ。近年はドローンメーカーが増えつつあり、自社開発のドローン、全自動ドローンポートを備えるメーカーは雲聖智能以外にも米国の「Skydio」や「Airobotics」がある。
(翻訳・Qiunai)
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