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港湾での自動運転のソリューションおよびサービスを提供する「斯年智駕(SENIOR)」が、シリーズAで1億元(約18億円)を調達した。TikTokなどを運営するバイトダンス(字節跳動)がリードインベスター、「広発信徳(GF Xinde Investment)」「勁邦資本(JBC)」「辰韜資本(ESTAR CAPITAL)」など既存株主がコ・インベスターを務めた。
中国水運網(zgsyb.com)の資料によると、中国の港湾輸送コストのうち、トラック運転手のコストが50%以上を占める。しかし、港湾のトラック運転手は運転免許の要件が厳しいため人数が少なく、港湾業務は24時間のシフト体制のため、運転手が疲れた状態で運転を行うこともあり、安全上のリスクがある。そのため、中国では2000年頃から港湾の作業自動化が進められているが、現状ではさらなる自動化が待たれている。
港湾での自動運転は以前から需要があるが、実現には技術的な難題も多く存在する。例えば、港湾は24時間いかなる天気でも作業が行われるほか、セミトレーラーの動きは乗用車よりも複雑で制御が難しい。
同社はレーザー、カメラ、ミリ波、超音波を融合したソリューションで検知システムの冗長化を実現。自社開発したハードウエアの処理速度はフレームレート(1秒間に処理する静止画の枚数)32fpsに対応し、システムの安定性を高めている。また、高度なポジショニングシステムにより、自動運転コンテナトラックのポジショニングの精度は±5センチ、停車位置の精度は±2センチを実現。独自開発したクラウド型の制御プラットフォームは交通ネットワークシステムと輸送車両を自動で調整し、数百台の自動運転車のリアルタイムシミュレーションが可能で、遠隔でモニタリングと制御を行う。
斯年智駕の自動運転システムはコンテナの積み下ろしや空コンテナの保管場所などでの作業も可能で、タイヤ式門型クレーン(RTG)やレール搭載ガントリー(RMG)クレーン、フォークリフトとの共同作業に対応できる。同社の自動運転システムは、2021年6月に浙江省寧波市で、同年8月に河北省唐山市の埠頭で導入されている。
同社の何貝CEOによると、22年上半期にはさらに3~4カ所の中国国内の港湾と契約を結ぶ予定で、国際市場の開拓も積極的に進めているという。同社パートナーの汪楚皓氏がドイツ留学生同窓会の議長を務めていることから、ドイツのハンブルク港との協力を積極的に進めようとしている。「国の一帯一路や次世代インフラ整備の呼びかけに応え、今年は海港から河川港や陸上の物流拠点、海外の港湾にまで事業を拡大する予定だ。これは弊社製品に高い再現性と拡張性があるからこそ実現できることだ」。また、今年は港以外の幹線物流にも事業を拡大するという。
斯年智駕は通常約40台の自動運転車を運用しており、22年には安全確保のために乗車する安全要員の配備を段階的に取りやめる予定。そのうえで、将来的には運用、販売などさまざまなビジネスモデルを展開する計画だ。
同社は2020年4月設立で、従業員は100人以上。コアメンバーは自動運転製品に5年以上携わり、自動運転のソフトウエアやハードウエアのシステム構築や運営サービスの商業化の経験が豊富だ。
(翻訳・二胡)
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