XAIRCRAFTが農薬散布用ドローンの最新モデルを発表

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12月14日、ドローン製造販売の「XAIRCRAFT(広州極飛科技有限公司)」は広州市でイベントを開催。農薬散布用ドローンの新モデル「XAG P Series 2019 Plant Protection UAS 」を披露するとともに、多機能飛行システム、トータル補償サービス、最新ブランド戦略などを発表した。

今回発表された新モデルは、機体の剛性をさらに向上させ、IP67クラスの防水性能を備えている。最大16リットルの農薬を搭載でき、散布可能な範囲は1時間あたり1400アール。搭載する第二世代のケミカルコンテナは、流量計を使用しなくても正確に散布量を計算できるようになっており、最新のフライトシステム、精密なナビゲーション、多方向障害物検知などによって、より安全に作業を行えるようになった。また、同機のバッテリーは、アクティブ冷却技術で急速充電を実現した。

「極俠XMISSION多機能飛行システム」は、マッピングカメラ、マルチスペクトルカメラなど多くの機能モジュールを搭載しており、農地の上空で写真撮影やリモートセンシングによるマッピングを行う。農地の正射写真、農地の作業工程図を生成し、ドローンの航路や作業計画の策定をサポートする。これにより、より正確かつ安全に農薬散布できるようになるという。また、「SUPERX3 Pro RTK飛行制御システム」を採用し、センチメートルレベルの高度な全自律飛行が可能になった。

製品アップグレードに加えて、同社が重視しているのが各種補助サービスの向上だ。同社の顧客サービス満足度は、2017年には90%以上に達していたが、ユーザーの多様化などの影響もあり、2018年は60〜70%にまで下がってしまった。

そこで、以下の施策により顧客満足度を回復させるという。

▪️バッテリーのリース:農薬散布作業者にドローンのバッテリーを無料でレンタルする。

▪️Pシリーズ全機種へのトータル補償:保証期間内は全部品を無制限で無料交換する。

また、XAIRCRAFTのユーザーに対しては、「アント・フィナンシャル(螞蟻金服)」、招商銀行などと提携して、以下のサービスを提供する。

▪️農業向けにアント・フィナンシャルと協力して、データリスク管理に基づいたオンラインサービス機能を提供。また、農業従事者やドローンパイロットに財政支援も行う。

▪️招商銀行は、XAIRCRAFTのパートナー企業に1億元(約16億円)規模の頭金融資を提供し、ユーザーの資金負担を軽減させるとともに、ドローンの普及を促進させる。

▪️中航未来教育集団(ZHONGHANG FUTURE)などと協力し、戦略ブランド「極飛教育」を新設。農薬散布用ドローンに携わる専門人材を育成する。

XAIRCRAFTの今後について、彭斌CEOは「農薬散布用ドローンにはバッテリーとデータが必要だ。データは農薬を正確に散布するためには必要不可欠だ。したがって、今回発表したバッテリーリースやトータル補償などは我々の戦略上にあるサービスだ。将来的には、データやサービス面でもビジネスを拡大させていきたい」と抱負を述べた。

第3四半期は8億円の純利益

世界中で成長を続けているドローン市場だが、中でも中国の勢いは目覚ましい。国家統計局のデータによると、2017年の民間ドローン生産は前年比67%増の290万台に達した。ドローンを使用する農家は500万戸、農業従事者は5128万人で、中国は今年、農業用ドローンによる作業面積が世界最大の国となった。

2018年11月末時点で、XAIRCRAFTが世界で提供している農薬散布用ドローンは2万1731台。認定パイロットは2万8000人を超えている。新疆ウイグル自治区の綿花畑では、同社のドローンを使用した農薬散布面積が全体の5分の1を占めている。また、茶畑や果樹園などに利用範囲が拡大しており、同社の2018年第3四半期の純利益は5000万元(約8億円)を記録した。
(翻訳・飯塚竜二)

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