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2018年はWebコンテンツ制作スタートアップの衰退が叫ばれてきた。微博(ウェイボー)やWeChatによるアクセス増効果が薄れつつある中で、Webコンテンツ業界はどこに向かうのか。「華映資本(Meridian Capital)」副総裁の劉天杰氏に伺った。
MCNが主戦場に
2017年の公式データによれば、微博のインフルエンサーの90%がマネジメントを行うMCN(マルチチャンネルネットワーク)と契約している。そして、アクセス争奪戦の場がセルフメディアからMCNに移行。アクセス数や資金、ビジネス資源がトップ企業に集中するMCNの勢力図がほぼ出来上がった。
いかにマネタイズするか
2018年11月の微博MCNランキングで上位を占めたのは「papitube」、「大禹(Dayu)」、「微念(Weinian)」、「蜂群文化(Hive Media)」、「快美(Kuaimei)」だ。そのうち微念と快美は華映資本から出資を受けている。快美は「微博V影響力サミット」で2018年のMCNトップ10に選ばれた。
快美はもともと「快美粧」というメークアップ分野のショートムービーを制作するMCNだった。創業者の陸昊氏は「今後の鍵はコンテンツがブレイクするまでの過程やマネタイズの効率であり、アカウントをいかに効率的に育成するか、制作プロセスをいかにビジネス化するかが重要だ」という。実際に快美は、通常の広告以外に、インフルエンサーによるeコマース、ブランド育成、タイアップ商品など多様なマネタイズ手段を持っている。
MCNの今後について陸昊氏は「プラットフォーム全体に浸透する大型IP(知的財産)を生み出すことと、コンテンツとビジネスの連携を一層強化することが必要だ」と指摘。劉天杰氏も「連携できるビジネスを持たないコンテンツ企業は、すぐに成長が頭打ちになる」としている。
大型IP戦略の良い例は、微念所属のインフルエンサー「李子柒(リーズーチー)」だ。田舎に暮らして伝統料理を紹介する彼女は、微博のフォロワーが約1500万人、ネット全体のフォロワーは3700万人に達する。2018年8月、天猫(Tmall)に「新伝統、スローライフ」を掲げる旗艦店を出店、オープン当日に1000万元(約1億6000万円)を売り上げた。さらに、オフラインとの融合による新小売にも進出し、2019年の売り上げを6億元(約95億円)と見込んでいるという。
知識を商品化
広告やeコマース以外のマネタイズ手段には「知識」の商品化がある。劉天杰氏によれば「この分野では大企業が生まれる可能性がまだあり、独占されにくい業界だ」とのこと。ユーザーのニーズを満たす知識を商品として提供すれば収益に直結するというのだ。
知識を商品として売る情報販売は、限界費用がほぼゼロなので収益を上げやすい。しかし、限界も見える。華映資本が出資する女性向けコンテンツ販売プラットフォーム「Chic原醉(Yuanzui)」はフォロワー数が200万人で、年間売上高は1億元(約15億円)に上るが、レッスンの販売に頼るだけでは成長は頭打ちになると感じている。そのため同社は豊富にレッスンを揃えるほか、有料コミュニティーやオフラインイベントを開始して、より多くの女性ユーザーを取り込もうと試みている。
Webコンテンツ業界のターゲット
Webコンテンツ業界の活路について、劉天杰氏は以下の3点を挙げた。
1)(上述した)コンテンツと産業の連携、つまりコンテンツを消費と連動させること。
2)購買力と購買意欲があるシニア層のニーズを満たすこと。
3)コンテンツに課金することを当然と考える2000年代生まれの消費者のニーズに対応すること。
(翻訳・畠中裕子)
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