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いま動画サイトは収入源の多角化に必死だ。
昨年末、「愛奇芸(iQIYI)」は特定の分野やニーズに的を絞った有料コンテンツサービスをスタートさせた。「知識」と名付けられたこの新しい動画チャンネルは、文史(文学と史学)、芸術、趣味、親子、スポーツ、ビジネス 、財経、テクノロジー、外国語の9つのカテゴリに分けられ、学習に役立つさまざまなコンテンツをシリーズ化して提供している。
愛奇芸に先立つように、ライバルの「優酷(Youku)」も学習プラットフォーム「有書(Youshu)」と提携して関連サービスの有料化に踏み切った。
愛奇芸と優酷の目的はほぼ同じだ。コンテンツの多様化・拡充を進め、新たなユーザーを取り込むとともに、収益構造に変化をもたらすことにある。
有料モデルをいち早く取り入れた愛奇芸は、有料会員が8000万人を突破。「騰訊視頻(テンセント・ビデオ)」も同程度の規模で、「有料市場」には大きな潜在的ニーズがあることを示唆している。
しかし、有料化に対する世の抵抗はいまだに強い。動画サイトのユーザーは「やむを得ない」場合にのみ、受動的に課金を選択する。一方、学習コンテンツのユーザーは、テクノロジーの変化などに対する焦りや不安感から、能動的に有料サービスを利用するケースが多い。従って、学習コンテンツは、動画サイトのアクティブユーザーを増やすとともに、ユーザーの囲い込みにも寄与するだろう。
ただし、動画サイトの有料会員が購入するコンテンツは依然としてバラエティやドラマなどのエンターテインメント系が多く、彼らがどの程度学習コンテンツを購入するかは不透明だ。毎月10元(約160円)程度の会員費と比べると学習コンテンツの単価はかなり高く、より専門的な有料学習プラットフォームを相手にすると劣勢を強いられる可能性もある。
いずれにしろ、動画サイトの視点に立てば、こうした試みは避けて通れない。愛奇芸の2018年第3四半期決算では、純損失が31億3000万元(約500億円)に拡大した。優酷は赤字額を公表していないものの、「過剰な投資でアリババの業績を引っ張っている」というのが大方の見方だ。
動画プラットフォームはコンテンツ調達コストが高く、短期的には厳しい財政状況を強いられる。収入源の多角化は必然なのだ。
(翻訳・飯塚竜二)
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