「仕事が人材を見つける」 AI活用の人材採用「hireEZ」が約30億円調達

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AIを活用した人材採用プラットフォーム「hireEZ(氦図科技)」がシリーズB+で2600万ドル(約30億円)を調達した。出資を主導したのは米Conductive Venturesで、中国のVCファンド藍湖資本(Blue Lake Capital)も出資した。今回の資金調達実施と同時にブランド名も変更し、hiretualからhireEZへ改称している。

hireEZは2015 年にシリコンバレーで設立され、世界最大の人材のナレッジグラフとAIを用いた採用のSaaSを目指している。さらに「インバウンド・リクルーティング(人材から企業に応募する採用方式)」から「アウトバウンド・リクルーティング(企業から候補の人材にアプローチする採用方式)」へ採用方法を転換し、各企業のHR(人的資源)システムにAIエンジンを導入させ、人材採用の自動化やスマート化も目指していく。

同社の江海慶CEOによると、同社の歩みは以下のような三段階を踏んできた。

まずは2015の創業から2017年まで。創業当初から人材採用のSaaS構築を模索しており、2017年にhireEZの前身となるhiretualをリリースした。プロダクトの中核をなすのはAIソーシングソリューション(AIによる人材検索を中心とする採用ソリューション)と、採用部署向けの人材のナレッジグラフだ。

2017年から2021年は、hiretualのAIソーシングソリューションをさらに進化させた。人材の検索・人材への接触・人材市場の洞察までの全過程を網羅する採用ソリューションと、IT・医薬品・金融など特定の業界に特化したソリューションを相次いでリリースしている。2021年の売上高は前年比250%増の伸び率となった。

今年以降は新たにhireEZとして急成長フェーズに入る。江CEOはこれからをアウトバウンド・リクルーティングへの転換点と定義し、「仕事が人材を見つける」新たな採用方式を目指していく。

このアウトバウンド・リクルーティングをhireEZは一貫して強調してきた。2000年ごろから広まりはじめた「アウトバウンド・マーケティング」に着想したという。これまでの人材採用ソリューションは、人材不足の傾向がある現在の市場からすると限界がある。米HRコンサルのSIA(スタッフィング・インダストリー・アナリスツ)が今年1月に発表した調査レポートによると、71%以上の企業が人材不足の問題に直面しており、人材を惹きつけるためにより多くの予算を割く計画だという。hireEZはナレッジグラフとAIエンジンを基盤としたプロダクトでこうした企業に対して課題解決の支援を行う。

hireEZは約50の主要CRM(顧客関係管理)システムやATS(採用管理システム)を統合し、7億5000万人以上の人材のレジュメを集めている。すでに多くの雇用主に人材市場に関する知見を提供し、データに基づく採用戦略の策定や適切な採用候補者とのコミュニケーションを支援する。hireEZを実際に使用した顧客によると、求める人材が見つかるまでの時間は平均してこれまでの半分で済むといい、顧客の7割は、これまででは探し当てられなかったレジュメに出会えたとしている。

同社の現在の主な顧客は欧米を中心とする30カ国以上に存在し、業種ではIT、ソフトウェア、医療、ヘッドハンティング、金融、インターネットなど、規模は従業員1000人以上の企業だ。Amazon、Meta(旧Facebook)、Google、Paypalなどの大手IT企業やVisa、デロイトなどの老舗企業も顧客だという。

従業員もグローバルな人材が揃い、北京、上海、蘇州、アモイなどにオフィスを構える。従業員の多くは米スタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校、北京大学、中国科学技術大学、上海交通大学、浙江大学などの出身者だ。江CEOは中国科学技術大学コンピューターサイエンス学科卒業、張新文CTOは華中科技大学のコンピューターサイエンス学科卒業で、米ジョージ・メイソン大学でコンピューターサイエンスの博士号を取得。二人ともサムスンのR&D部門に勤めた経験がある。
(翻訳・山下にか)

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