3台に1台が中国向け。BMW、中国事業を加速 投資継続に意欲

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【新華社瀋陽4月10日】ドイツ自動車大手BMWはこのほど、中国市場向けにローカライズした現地生産の高級スポーツ多目的車(SSUV)「X5」を発表し、大きな注目を集めた。新型コロナウイルス感染症と闘っている中国で新モデルを打ち出した背景には、中国市場に対する自信がうかがえる。

2月には中国の同業、華晨汽車集団との合弁会社、華晨宝馬汽車(華晨BMW)の出資比率を従来の50%から75%に引き上げた。追加出資額は279億元(1元=約20円)。中国現地パートナーとの提携期間を2040年まで延長する方針も示した。BMWのオリバー・ツィプセ最高経営責任者(CEO)は「中国はドイツ以外で最も重要な戦略的市場。中国での投資を継続し、われわれの足跡を広げていく」と語っている。

同社の今月初めの発表によると、遼寧省瀋陽市にある華晨BMWの生産工場は10年以降の投資額が830億元を超え、BMW最大の生産拠点となっている。今年はさらに瀋陽と江蘇省張家港市に工場を2カ所新設する予定。華晨BMWの瀋陽大東工場のアップグレードと拡張工事も間もなく完了する。

BMWのヨッヘン・ゴラー大中華圏総裁兼CEOによると、販売台数の3台に1台を中国向けが占める。「中国はBMWにとって最大の市場。新車開発では中国の顧客の希望と需要を十分に考慮する」と話す。同社取締役で中国事業を担当するニコラス・ピーター氏も「中国は電気自動車(EV)の分野で世界をけん引し、デジタル化の重要な原動力になっている」指摘。同社が電動化やデジタル化、持続可能な発展へと転換する過程で、中国は最良のパートナーになるとの考えを示している。

中国は1月1日に乗用車分野の外資出資規制を撤廃した。中国のハイレベルの開放拡大によって、さらなる協力深化に向けた扉が開かれた。ゴラー氏は「中国の対外開放への決意と自信、ハイレベルの対外開放、多国籍企業のための持続的なビジネス環境の改善が中国市場の圧倒的な魅力につながっている。こうした取り組みは中国に大きな成果をもたらすだけでなく、BMWを含む多くの多国籍企業にも利益をもたらしている」と語っている。

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