EC大手の京東、ESG報告書を公表 業界初のゼロエミッション物流パーク開設

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中国EC大手「京東集団(JDドットコム)」は5月24日、「2021年環境・社会・ガバナンス報告書」(ESG報告書)を発表し、その中で初めて「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)レポート」を公開、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標・目標の4つの分野で詳細な情報開示を行った。

報告書では、TCFDが推奨するとして2021年に発表したフレームワークが現在世界で最も影響力があり広く支持されているとし、これに基づいて気候変動に関するガバナンスの枠組み、リスク・機会の特定、リスク管理と目標などを公表している。

リスク開示では、気候変動がサプライチェーン・マネジメントにもたらすリスクを指摘した。例えば、気候変動による自然災害や異常気象が物流インフラに被害を与える可能性が高まり、その結果地域の物流拠点の運営効率が低下または運営停止となり、宅配業務の効率や企業収益に影響を与える可能性があるとした。

また、スマート工業団地では第一弾として2021年末までに12カ所で太陽光発電システムの設置を完了し、中国国内の50以上の都市で新エネルギー車2万台を投入した。そのうち、西安の「亜洲一号」スマート工業団地は、中国初の「ゼロエミッション」物流パークとして認証された。また、2021年に部分的に使用を開始した本社2号ビルは、中国のグリーンビルディング評価システム「緑色建築設計標識」認証で最上級に当たる三ツ星のグリーンビルディングに認定されている。

この他、独BMWのために京東が合肥に建設したアフターセールス部品センターは、BMWが中国で初めて建築および都市環境の環境性能評価システム「LEED」認証を取得した「グリーン倉庫」だ。

また報告書では、京東がCO2排出削減技術の研究開発を続けていることについて触れている。物流子会社「京東物流(JD Logistics)」が2021年に海南省海口市でパッケージのリサイクル利用のパイロットプロジェクトを実施、リサイクルタイプの宅配袋を使用することで、使い捨てされるPE樹脂製の袋の使用を徐々に削減しようと試みている。

「青流箱」という繰り返し使える包装用の箱は、2021年末までに延べ2億回使用され、業界全体で約100億個の使い捨て段ボール箱削減につながった。電子請求書の利用を進め、21年には28億枚以上の電子請求書を発行、31万本の木に相当する量の紙を節約した。クラウド事業の次世代グリーンデータセンターでは、液体冷却などの技術により年間平均電力使用効率(PUE)が1.1以下となり、エネルギー消費を30%節約、CO2排出量を10%削減することができた。

今年の「618セール」(6月18日前後に行われる中国ECサイトのスーパーセールイベント)では、多くのブランドや出店者と協力して省エネ家電や汚染されていない環境で育てられた安全食品「グリーンフード」などに「グリーン」マークを表示する「青緑計画」を実施すると公表している。

さらに、2030年に向け脱炭素のための行動目標を掲げた。業界トップクラスとなる規模の屋上太陽光発電のエコシステムをパートナーとともに構築する、30年までに物流車両を全て新エネルギー車に置き換える、30年までに包装資材を100%環境にやさしい再生可能なものにする、80%以上の川上の企業に対し環境に配慮したパッケージの研究開発を支援する、エコシステムのパートナーと協力し、あらゆる産業でDXを進め、デジタル技術によるCO2排出削減の効率向上を支援する。

京東は今年2月、旧正月のセール期間におけるCO2排出削減の成果を発表している。グリーン倉庫、グリーン包装、グリーン配送、技術革新などサプライチェーン全体を通じてCO2排出削減対策を実施、削減量は23万6000トンとなった。また、リサイクル包装資材は延べ1900万回使用し、使い捨てによるゴミを9万トン削減した。

昨年11月11日に開催されたECセールイベント「独身の日(双十一)」についてのレポートも公表されている。セール期間中、京東物流はパッケージの減量化、新エネルギー車による配送、分散型太陽光発電、スマートデバイスの導入などサプライチェーン全体で脱炭素に取り組み、合計2万6000トンのCO2を削減したという。

京東は脱炭素のために個別に手を打つのではなく、サプライチェーン全てが一体となったCO2排出削減システムの構築を模索してきた。今回発表されたESGレポートでは、こうした対策の効果が顕著に現れている。
(翻訳・36Kr Japan編集部)

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