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吉野家ホールディングス(HD)のグループ会社で、中国・上海エリアで牛丼チェーン「吉野家」を展開する「上海吉野家快餐」(以下、上海吉野家)」が、経営不振に陥っている。
上海連合産権交易所(SUAEE)が8月末に明らかにした株式取引情報にも、その経営状況が表れている。SUAEEの公式サイトによると、ホテル大手「錦江酒店(WeHotel)」の完全子会社で飲食店の開発・管理を手掛ける「上海錦江国際餐飲投資管理」(以下、錦江餐飲)は現在、上海吉野家の株式9.815%を821万7300元(約1億6400万円)で譲渡する計画を進めている。
企業情報サイト「天眼査」によると、上海吉野家は2002年に錦江餐飲と吉野家HD傘下の「吉野家(中国)投資」が共同出資する形で設立された。持株比率は錦江餐飲が42.815%、吉野家(中国)投資が57.185%となっている。
公告によると、上海吉野家の2021年の売上高は4521万700元(約9億400万円)、純損益は99万1800元(約2000万円)の赤字、負債総額は1914万6800元(約3億8200万円)。22年1〜6月の売上高は863万5700元(約1億7200万円)、純損益は534万9400元(約1億700万円)の赤字、負債総額は2281万5600元(約4億5600万円)となっている。
吉野家は海外店舗約1000店を有するが、その6割が中国本土に集中している。中国では複数の企業が吉野家のブランドを掲げて事業を展開している。うち、上海や武漢、重慶、深圳など中国本土南部の事業は吉野家HDが統括。中国本土北部および香港の事業は、同社とフランチャイズ契約を結ぶ合興集団(Hop Hing Group Holdings)が運営している。
中国1号店が1992年、北京でオープンして以降、吉野家ブランドで事業を展開する企業の業績は右肩上がりに伸びていたが、ここ数年は伸びが鈍化している。中国には現在、さまざまな業態の飲食店があり、消費者の選択肢も多い。吉野家は中国でのマーケティングが不十分で、ブランドの陳腐化が始まっている上、ファストフードとしては価格面での優位性がないことも伸びが鈍化した要因になったとみられる。
(36Kr Japan編集部)
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