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中国の娯楽用対戦ロボットメーカー「工匠社科技(GJS Technology)」が、最新のフラッグシップ商品「GANKER EX」を発表した。同商品は「マンマシン一体」の操作技術が搭載された戦闘ロボットだ。
工匠社がこれまでにリリースした「GANKER」シリーズと「GEIO」シリーズはそれぞれ、接近戦用と遠隔戦用だ。
GANKER EXは前作GANKERのアップグレード版だ。GANKERは技術的な制約により制御システムや動力システムが不十分だったため、プレイヤーにとって物足りない部分があった。
しかし、GANKER EXでは人体を模倣した設計と空間キャプチャー技術が採用され、「マンマシン一体」による動作を実現する。空間測位技術によってプレイヤーの自在な動きを把握するほか、対戦型ゲーム用の電子採点システムを導入しており、プレイヤーの実力を正確に判定する。対戦中にロボットの頭部や胸部、肩など7つの部位に攻撃を受けた場合、それぞれの状況に応じた減点がなされる。
同社が、事業スキームにおいて一貫しているのは、「プロダクト・競技・IP(知的財産)」からなるエコシステム戦略だ。自社製品を世に送り出す以外に、「テンセントゲームズ(騰訊游戯)」のヒット作「王者栄耀」などとのコラボ商品も手がけている。
中国国内で戦闘ロボットを製造する組織は多くない。工匠社以外で有名なのは「機甲争霸(ROBOWAR)」シリーズを展開する「深圳機甲動力科技(Xiaopa Intelligent Technologyi)」だ。前者は消費者向け製品を開発しているのに対し、後者は企業向けに大型製品を提供している。
また、同社はバトルゲーム競技会「GANKER ARENA」の立ち上げを発表した。初シーズンは世界的なeスポーツ大会「ワールドサイバーゲームズ(WCG)」との共催となる。世界の各都市で行われる予選を経て、勝者は西安で開かれる「WCG 2019」で決勝に臨む。
昨年は「鉄甲雄心(KING OF BOTS)」や「這!就是鉄甲(THIS IS FIGHTING ROBOTS)」、「機器人争覇(CLASH BOTS)」という3つのバラエティー番組が放送され、対戦ロボットは再び注目され出しているが、eスポーツや一般的なスポーツ競技と比べて、ロボット競技はまだ発展の初期段階に過ぎず、メインストリームには進出できていない。
戦闘ロボット競技会を開催・運営するには、現状では製品や技術サポートが不足しており、いかにハードルを下げて一般からの出場を促すかが課題だ。現在の競技会では、ロボットそのもののクオリティやプレイヤーのスキルが勝敗に直結するが、中でもロボット本体のスペックが占める比重が大きい。つまり、ロボットメーカーの技術が勝負を分けるのだ。現在、競技会に参加するのは、主催者に依頼された技術開発チームが多い。
今後、工匠社は全出場者に同社製ロボットを提供することで、出場へのハードルを下げる計画だ。同社の創業者兼CEOの招俊健氏によれば、その場合、勝敗を握るのは「技巧+技術力」だ。技巧とは俊敏性などの身体能力を指す。各プレイヤーの身体能力はリアルタイムでロボットに反映される。技術力とは武器の改造など戦闘能力を向上させるスキルや知力だ。
ロボット競技は、実際の格闘技で生じ得る負傷を避けることができ、また競技者間の体格差によるハンデがなくなるため、「小さな子供でも大人と戦い合える」と招氏は考えている。
(翻訳・虎野)
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