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中国のスマートフォン大手OPPO(オッポ)はこのほど、半導体設計子会社「哲庫科技(ZEKU)」の事業を停止し、自社製チップの開発を中止した。同社は、世界経済およびスマホ市場の不確実性に直面し、慎重に検討した上で厳しい決断を下したと説明した。
2023年1~3月期も、世界のスマホメーカー各社が需要の低迷に苦しんだ。調査会社IDCのデータによると、OPPOの世界出荷台数は前年同期比で6.7%減、中国国内での出荷台数は8.8%減となった。世界スマホ市場全体が低迷する中で、OPPOの業績だけが上がるわけもなく、自社製チップの開発費用と収益が見合わなくなったとみられる。
OPPOは19年、自社製チップの開発プロジェクト「マリアナ計画」を開始した。すでに、上位機種の「Find X5」と「Find X6」には自社開発したNPUチップ「MariSilicon X」が、イヤホンやIoT製品にはBluetooth対応のオーディオチップ 「MariSilicon Y」が搭載されている。
チップ業界の関係者によると、同業界への参入障壁は高く、粘り強さと巨額の資金投入が不可欠だという。華為技術(ファーウェイ)傘下の半導体設計大手「海思半導体(HiSilicon、ハイシリコン)」が成長してきた過程を振り返ると、長期にわたる資金投入と技術の蓄積が必要だったことが分かる。
小米(シャオミ)は、スマホ向けSoC「澎湃S2」を打ち出したが、すでに開発をストップしたと報じられている。中国のスマホメーカーによる自社製チップ開発への道のりはまだ長そうだ。
(36Kr Japan編集部)
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