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8月26日、中国IT大手テンセント(騰訊)の董事会主席兼CEOの馬化騰氏が重慶で開催されている「中国国際スマート産業博覧会2019」での講演中に、テンセントは「長安汽車(Changan Automobile)」と連携し、長安汽車がまもなくリリースする新車種において、車載音声アシストサービス搭載のWeChatを発表することを明らかにした。当該サービスはテンセントのWeChatチーム主導で、テンセント傘下の「騰訊車聯(Tencent Auto Intelligence)」と共同開発したという。
車載版WeChatサービスは、WeChatの通信ツールとしての立ち位置に戻り、機能を簡素化している。すなわち、メッセージの再生と返信、未読メッセージの確認、送信、及び音声通話等の機能のみで、モーメンツの確認、ラッキーマネー(紅包)、スタンプ等の機能は搭載されない。また、使用方法も従来のWeChatと異なり、車載版は音声入力とボタン操作の両方が取り入れられ、ドライバーが走行中でもスムースに操作できるようにしている。
昨年10月18日に行われた「世界スマートコネクテッドカー大会」において、馬化騰氏はテンセントが車載版WeChatサービスの研究開発に注力していることを発表した。その際、馬氏は車載版WeChatサービスには、多数の自動車メーカーが期待しているが、設計段階で安全性を最も重要視しているため、発表の時期を遅らせたと話した。
それでも、2019年の第4四半期にようやくサービスをローンチすることになったのは、想定より大幅に遅れた印象だ。
今年2月25日に行われた長安汽車の新車種であるCS85のグローバルメディア試乗会において、長安汽車の経営陣は、テンセントと共同開発している車載版WeChatサービスは2019年第2四半期にローンチすると話していた。仮に第2四半期にローンチした場合、無線(OTA:Over the Air)によりクラウドから車に配信してから使用する必要があるという。
今年の5月22日に行われた「騰訊全球数字生態大会(Tencent Global Digital Ecosystem Summit)」では、「騰訊車聯(Tencent Auto Intelligence)」の総経理・鐘学丹氏がコネクテッドカーのエコシステムソリューションを明らかにした。同ソリューションは車載版WeChatサービスを中心に、ドライブシーンに適したソーシャルサービスを提供し、音声操作、ハンドルのスイッチによるWeChat起動、WeChatの位置情報機能によるナビゲーション等の機能があるという。鐘氏は当時、車載版WeChatを搭載する「コネクテッドカー」が2019年中にも誕生すると発表した。
8月26日現在、長安汽車が発表する新車種が最初の車載版WeChat搭載車種となっている。馬氏の講演によると、テンセントと長安汽車はスマートコネクテッドカーの良き開発パートナーになりつつある。その連携は、「人間―車―店舗―工場」のみならず、自動車産業チェーン全体のスマートコネクテッド化のアップグレードを目指しているという。なお、2社の合弁会社である「梧桐車聯(Phoenix Auto Intelligence)」が同時に、テンセントエコシステムサービスを搭載するコネクテッドカーOSをリリースし、大手自動車メーカー各社に公開している。
*図の出所は視覚中国(Visual China Group)
(翻訳:小六)
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