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今年、中国の自動車市場の規模は、28年ぶりの縮小となった。
そんななか、「中国電気自動車百人会」の新エネルギー車サプライチェーン大会において、蔚来汽車(NIO)の産業発展部副総裁張洋氏が講演を行った。講演の抜粋は以下の通り。
2014年11月、私たちはNIOを立ち上げた。改革開放の40年間、自動車産業が築き上げたのは何かとよく聞かれるが、私が思うに、第一にサプライチェーン、第二に人材だ。
2015年、私たちはプランを立てた。まず、中核部品のグループを持ち、2017年には自分たちのファンドを、2018年には上場に伴いエネルギー供給のプラットフォームを持つことを目標とした。そして、最初にやったのが、南京での部品会社の立ち上げだ。
20年以上発展が続いたが、今年中国の自動車産業は28年ぶりに縮小した。しかも春、夏から秋を飛び越えて、一気に冬に入るような変化だ。
しかし、グッドニュースもある。中国の自動車市場をみてみると、千人あたりの自動車保有台数は200未満だ。欧米の先進国とは大きな差がある。現在、中国の自動車保有台数は2.5億台で、これが4億台になったとき、仮に毎年20台に1台が買い替えられるとすると、年間2000万台以上の市場規模になる。
つまり、目下の状況は気落ちするようなものだが、中国が最大の市場だということは、短期間で変わることはない。今も、優れた市場環境にあるのだ。
もう一つのグッドニュースは、これまでの10年間で、新エネルギー車市場が爆発的に成長してきたことだ。今年自動車産業全体が減速するなかでも、新エネルギー車は力強く成長した。私たちは、よい業界を選んだのだ。この業界は無限のポテンシャルを持つ、諦める必要はない。
2014年から2015年、NIOを創業したばかりのとき、電気モーター企業と協力したかったが、満足できるパートナーはなかなか見つからなかった。しかし、今のモーター業界は規模が大きくなり、競争力も身につけている。
モーターだけではない。バッテリーもそうだ。新エネルギー車が必要とする部品のうち、バッテリーが占める比重は今までにないほど高まった。中国が掲げている2025年、2035年までの中長期の発展計画を実現できれば、バッテリー産業は少なくとも今の5倍にまで伸びる。したがって、バッテリー産業の見通しは明るい。
チャンスについて話してきたが、課題は何だろうか。自動車産業全体の課題や、サプライチェーンの課題はどのようなものだろうか。
例えば、モーターをみてみよう。現在、私たちはローエンド、ミドルエンドのものなら作れるが、ハイエンドのものを作ろうとすると、モーターの効率、出力密度の向上において、顕著な後れがある。
また、バッテリーでは、私たちはエネルギー密度の向上だけを追い求めているが、それでいいのだろうか。エネルギー密度と安全性のバランスも大事ではないのだろうか。
大都市の北京と上海をみてみると、一人あたりの運転走行距離は、50キロにも満たない。それなら、本当に700、800Wh/kgのバッテリーを搭載する必要があるのだろうか。どのように安全性とエネルギー密度の間でバランスを取るのか、これが私たちにとっての課題だ。
現在、バッテリーの生産力に問題はない。パートナーの「寧徳時代(CATL)」は、十分に強みを発揮してくれている。しかし、日韓と比べた場合、技術の成熟度、製品の安定性や発熱コントロールにおいて、まだ差がある。
もう一つ重要なことは、高効率半導体や、IGBT(電子制御用のトランジスタの一種)に使うSiC(炭化ケイ素)半導体は、十分な数があるのかということだ。
これからの10年間は、中国の自動車産業で生き残り競争が起きる。有名な伝統企業を含めて、10年後生き残るのは誰か。それは誰がより独り立ちできるのかに左右される。
(翻訳:小六)
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