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チップの単体販売は行っていなかった「ファーウェイ(華為科技)」が、ついに方針を変えた。10 月 15 日、ファーウェイの子会社「海思(HiSilicon)」が、LTE Cat4チップセットBalong 711を一般市場向けに販売することを発表したのだ。
このチップは2014年に発表され、すでに様々な製品に使用されており、全世界での出荷数は1億個を超える。マルチモードでLTE-FDD/LTE-TDD/WCDMA/GSMの通信方式に対応し、IoT業界にネット接続のソリューションを提供する。
海思の公式情報によれば、Balong 711チップセットは最も早期に開発された4G Modemチップの一つで、世界の主要通信キャリア100社以上から認証を取得済みだ。Balong 711チップセットには3つのチップが内蔵され、ベースバンドチップはHi2152、RFチップはHi6361、パワーマネジメントICはHi6559となっている。
Balong 711チップセットはOpen CPUに対応し、搭載製品の開発の難易度を下げ、早期販売を実現できる。現在各種のOpen CPUソリューションに対応しており、アセットトラッキング、自転車シェアリング、POS端末などで使用することが可能だ。プログラムモジュールは各種ハードウェアに対応したインターフェースを搭載しており、ギガビットイーサネットカード、マルチチャンネルUART、SDIO、PCM、PCIeに対応し、産業用ルーター、IoV(車のインターネット)、ニューリテール、シェアリングエコノミーなどに応用可能だ。
海思はまた、各種業務に対応したチップを持っており、4G Balong 711を動画、テレビ、AI、WiFiのチップと組み合わせれることで、4G+動画/4G+AI/4G+TV/4G+WiFiなどのシーンに対応したソリューションが提供できる。
このチップセットの動作温度は氷点下40度から摂氏85度までであり、信頼性が必要な産業の現場や、極寒地、熱帯地域にも対応可能だ。新幹線のような高速移動する環境でも優れたデータ通信性能を保つことができ、複雑な環境下でも電気使用量を抑えることができる。
これまで、ファーウェイは端末用のチップにおいて、自社生産・自社使用を貫いてきた。
今年 9 月、ファーウェイのコンシューマー端末事業CEOの余承東氏は、同社が開発した「kirin」CPUを一般販売する考えがあると話した。現在kirinはファーウェイ社内のみで使用されているが、IoTなどの分野への販売を検討し始めているという。
しかし、kirinを一般販売することに対し、ファーウェイはまだ慎重な姿勢を崩していない。このCPUはファーウェイのスマートフォンが他社と競争する上で重要な強みであり、一般販売にはリスクが伴うからだ。そのため余承東氏は、「kirinを一般販売するとしても、IoTなどスマートフォン以外の分野から始める」と話す。
(翻訳:小六)
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