新たな有望市場?中国発プール掃除ロボットが米国で台頭、人手不足に対応

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プール清掃ロボットを開発するスタートアップ企業「星邁創新(Xingmai Innovation)」がこのほど、シリーズAで資金を調達した。凱輝基金(Cathay Capital)、礪思資本(Monolith Management)、電子機器大手の安克創新科技(Anker Innovations)が共同でリードし、高瓴創投(GL Ventures)、順為資本(Shunwei Capital)、蘇州市呉中金融控股(Wuzhong Financial Holdings)、香港科技大学の高秉強名誉教授などが出資に参加した。これにより星邁創新が調達した資金は累計で5億元(約100億円)を超え、評価額は20億元(約400億円)に迫った。今回の資金は主に製品開発と人材募集、市場開拓に使われるという。

海外ではプール清掃機器が大きな市場を形成している。世界には2800万カ所以上のプライベートプールがあり、毎年50万から70万カ所ずつ増えているという。既存のプールと新規増加分を合わせると、維持管理の需要は大きい。しかし、イスラエルのプール清掃ロボットメーカー「Maytronics」によると、清掃は4割が手作業で、ロボットの使用はわずか23%に過ぎず、使われているロボットも基本的な機能しかないものが多い。

プール清掃の頻度は多いときで1週間に数回になるが、欧米では手作業のプール清掃はコストが高く、予約にも手間がかかる。ある企業によると、プールの維持管理には、定期清掃、補修、水道代、電気代などを含め毎年5000~6000ドル(約73万~88万円)のコストがかかるという。

プール清掃ロボット分野の市場集中度は高いが、海外メーカーが中心で、製品の機能には大差なく、スマート化も進んでいなかった。この分野がブルーオーシャンであることを見て取った星邁創新などの中国メーカーは、機を逃さず参入した。

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星邁創新が今年2月に発売した初代製品「Beatbot」シリーズの「AquaSense Pro」と「AquaSense」は、価格がそれぞれ2199ドル(約32万円)と1299ドル(約19万円)。この2つの商品で半年間に数十億円を売り上げ、米アマゾンのプール清掃部門では1400ドル(約20万円)以上の高価格帯でシェア85%を占めた。

現在プール清掃ロボット分野に参入するメーカーはほとんどがローエンドとミドルレンジの製品で勝負しており、アマゾンで販売されているロボットは150~200ドル(約2万2000円~2万9000円)と399~600ドル(約5万8000円~8万8000円)の価格帯に集中している。数千ドル(数十万円)の商品は星邁創新のBeatbotと、Maytronicsの「Dolphin」しかない。

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星邁創新の創業者・王生楽氏によると、同社が開発したプール清掃ロボットは画期的で、業界の常識を覆すような機能を備えており、ユーザーにとってまさに痒い所に手が届くような製品だという。

例えばBeatbot AquaSense Proは、浮力をスマート制御する独自のシステムを搭載し、プールの底や壁面まですべてを立体的に清掃するほか、清掃作業中に薬剤を均等に吹き付け、プールのサイズによって量を調整することもできる。また、自社で開発したルート設計やマッピング、ナビゲーションのアルゴリズムを使って隅々まで完璧に清掃する能力を備え、清掃状態のマップや清掃記録をアプリで確認できる。

水は走行軌跡や信号伝達、環境検知のいずれにも干渉するため、水中での清掃機能と正確なルート設計の開発は非常に難度が高く、コアとなる部品やアルゴリズムはすべてゼロから開発する必要があるという。星邁創新の製品は、スマート性能、移動能力、清掃能力、使い勝手のいずれも優れており、ブラシモーターの代わりに独自開発したブラシレスモーターを採用することで、機敏性を高め連続使用時間を延ばすことにも成功した。

今後は、欧州、オーストラリア、ラテンアメリカ、中東での市場開拓にオフライン・オンラインの両側面から取り組む計画だ。

*1元=約20円、1ドル=約146円で計算しています。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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