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2024年も残りわずか。中国新エネルギー車(NEV)市場の年末商戦の結果が間もなく明らかになる。各メーカーは9月から、「期間限定の大幅値引き」や「ゼロ金利ローン」などの魅力的な販促キャンペーンを打ち出し、年間販売(納車)台数の押し上げを図ってきた。
11月は多くのNEVメーカーが販売台数を前年同月比で大きく伸ばし、単月販売台数で過去最高を記録した。中でも、今年電気自動車(EV)業界に参入したばかりの小米(シャオミ)、業界最大手の比亜迪(BYD)、低価格戦略が当たった零跑汽車(Leap Motor)の3社は、年初に定めた年間販売目標を早々に達成している。
小米「SU7」、大人気で生産が追いつかない
小米傘下の「小米汽車(Xiaomi Auto)」は、3月末に発売した同社初のEV「SU7」が人気を呼び、4〜6月の月間販売台数は、7058台、8630台、1万4296台と右肩上がりに増え、7〜9月は毎月1万4000台前後をキープした。
小米の雷軍CEOは4月、SU7を年間で10万台以上販売すると宣言したが、翌5月には目標を12万台に上方修正。さらに、11月18日には13万台を目指してラストスパートをかける考えを明らかにした。
現在のところ、小米汽車の生産能力は第1期工場に100%依存している。同工場の定格年産能力は15万台、月産能力は1万2500台だが、稼働率を200%に上げて生産を急いでいる。朝晩2交代制のシフトを組み、自動化ソリューションを駆使して対応してはいるが、19〜27週間の納車待ちとなっている。
NEV世界王者のBYD、年間販売も右肩上がり
BYDは11月の販売台数が前月に続き50万台を突破し、世界のNEVの単月販売記録を塗り替えた。同社は2024年の年間販売台数を23年の20%増とする計画を明らかにしていた。23年の販売台数302万台をもとに計算すると、24年の年間販売目標は362万4000台以上となるが、1〜11月の累計販売台数は375万7300台で、早々に年間目標を達成した。
現在の主力は「王朝(Dynasty)」シリーズと「海洋(Ocean)」シリーズで、中でも第5世代となる独自のプラグインハイブリッド(PHEV)技術「DM」を搭載した新型車「秦L」「宋PLUS DM-i」「海豹(SEAL) 06 DM-i」の3車種は、いずれも平均月間販売台数が2万台を超えている。BYDは独自のPHEV技術と価格的な強みを背景に、同じクラスのガソリン車ブランドにも打撃を与えている。
零跑汽車、低価格戦略が大当たり
零跑汽車は11月の販売台数が初めて4万台を突破した。2023年の年間販売台数は14万4155台だったが、24年の目標はその2倍近くの25万台に設定している。
2023年は月間販売台数が1万台を超える車種が一つもなかった零跑汽車だが、24年に打ち出した新型車で世間の評価を確実に変えた。20万元(約400万円)以下の市場に照準を合わせた新車種の「C16」と「C10」に加え、モデルチェンジした「T03」と「C11」は、いずれもコストパフォーマンスの高さで消費者の心をつかんだ。
低価格路線への転換が功を奏し、零跑汽車は月間販売台数を着々と伸ばしており、新興NEVメーカーの上位陣に迫りつつある。販売台数の増加はスケールメリットをもたらし、コスト管理の最適化も進んだことで、2024年7〜9月期の粗利率は8.9%と前四半期の2.8%から大幅に改善し、調整後の純損失もやや減少した。
販売目標未達のメーカーが落ちこぼれた原因は?
小米、BYD、零跑汽車の3社は早々に当初の年間販売目標を達成した。理想汽車(Li Auto)も目標達成はほぼ確実だろう。極氪(Zeekr)、蔚来汽車(NIO)、賽力斯(SERES)の3社は達成率が80%を超えており、11月の販売台数から推算すると、12月の追い込み次第で目標を達成できる可能性がある。
しかし、それ以外のメーカーは販売目標達成には程遠い状態で、小鵬汽車(Xpeng)や埃安(AION)、智己汽車(IM Motors)などの達成率はわずか50%程度となっている。
その原因としてまず考えられるのは、年初に設定した目標が高すぎたことだ。たとえば、小鵬汽車は2023年の販売台数が14万1600台だったにもかかわらず、24年の目標を28万台に設定していた。
次に、新型車が振るわず、人気車種が出なかったことが考えられる。嵐図(VOYAH)や智己汽車の販売目標は特別高いわけでもなく、2024年には多くの新型車も打ち出している。嵐図は実力十分の新型車「夢想家(Dream)」や「知音(Zhiyin)」「FREE 318」などを、智己汽車は小米SU7をベンチマークとする「L6」を発売した。ただ、製品の位置づけやブランドの知名度などの影響もあり、これらの新型車は大ヒットに至らなかった。月間販売台数が安定して1万台を超える車種がせめて一つでもあれば、目標を達成できたかもしれないが。
賽力斯の目標設定も高そうに見えるが、ファーウェイと共同運営するスマートカーブランド「問界(AITO)」のSUV(多目的スポーツ車)「M7」が引き続き好調なため、目標の48万台は十分クリアできそうだ。とはいえ、中・大型SUV市場の競争は日増しに激しくなっている。理想汽車の「L」シリーズや零跑汽車の「C16」、智己汽車の「LS6」などにシェアを蚕食され、M7の直近の月間販売台数は1万6000台前後をようやく維持している状態だという。
*1元=約21円で計算しています。
(翻訳・田村広子)
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