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中国配車サービス最大手「滴滴出行(Didi Chuxing)」副総裁で、同社の自動運転部門を前身とする「AI Labs(人工智能実験室)」責任者でもある葉傑平氏は10月中旬、最先端テクノロジーと未来産業をテーマとした「ZGC FORUM 2019(中関村フォーラム)」で、同社のモビリティサービス分野における取り組みについて紹介し、AIオープンプラットフォームの最新動向についても説明した。
同プラットフォームでは「コンピュータービジョン、音声認識、自然言語処理、データ処理、センシング」を中心としたAI技術サービスと、AIを活用する4大分野「コネクテッドカー、スマートオペレーション、スマートカスタマーサービス、スマートシティー」の業界別ソリューションも公開している。
このほかにも葉氏は、自動運転プロジェクトの進展について明かしている。
滴滴アプリでは、呼び出す車種グレードに「快車(安価)」「専車(ハイグレード)」「タクシー」と並んで、「自動運転タクシー」というオプションが新たに追加されるという。希望する乗車・降車地点がサービスエリア内にあれば、自動運転車両の配車が利用できる仕組み。上海の一部地域で試験サービスが開始される予定で、早期の正式ローンチが期待される。
同社は自動運転タクシー事業の開始時期について「可能な限り早くリリースしたいが、今は具体的な時期を明示できない」と答えた。
同社のAI技術と機械学習はすでに多くのシーンで利用されている。例えば自動車走行の安全について、葉氏は「我々はビッグデータ、AI技術によって速度オーバーや交差点進入時に減速しないといった危険な運転行為を識別し、交通事故の多発地点を予測する」と説明した。
これらのデータをもとに機械学習、データマイニングなどの技術によって歩行者、道路、交差点などを絡め、これらの安全を保持するシナリオを予測していく。危険と思われる地点では、「前方に交差点がある」などドライバーに注意を促す。
滴滴が力を入れるAI技術においては、安全走行のほか自動運転もまた重要なポイントである。
滴滴の自動運転事業は2015年に立ち上げられ、自動運転に必要とされる技術基盤はほぼ整っている。今年8月に滴滴出行から自動運転部門をスピンアウトし、同社CTOの張博氏が新会社CEOに就いて自動運転に特化した研究開発や関連事業の指揮をとっている。
滴滴は9月末に、米カリフォルニア州、北京、上海、蘇州など4つの地域で自動運転の公道試験用ナンバープレートを取得、それぞれの地域に研究開発及びテストチームを抱える。
8月に開催された「世界人工知能大会(WAIC)」で滴滴CEOの程維氏は、実際に乗客を乗せた自動運転車の試験走行を上海で実施する計画を発表し、一般利用者の試乗も受け付けるとした。「今後は自動運転を手がける企業に追加投資し、一般の利用者が滴滴で無人タクシーを利用できるようにする」と表明した。
(翻訳:貴美華)
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