AIは料理人を代替できる?エミレーツ系列にも採用された「調理ロボット」、味付けを均一化

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調理ロボットを開発する「不停科技(BOTINKIT、ボッティンキット)」がこのほど、創世伙伴創投(CCV Capital)が主導するシリーズA++で1000万ドル(約16億円)超を調達した。

ボッティンキットは2021年に設立され、人工知能(AI)やIoT、ロボット技術を活用して飲食産業のスマート化を後押ししている。同社は飲食チェーンの運営効率を向上させ、グローバルな事業展開を手助けするソリューションを提供している。

その厨房デジタル化ソリューションで中心的な役割を担うのが調理ロボット「Omni」だ。3Dセンサーを採用したロボットは、温度管理や味付け、鍋の洗浄、料理の取り出し、音声案内など6つの自動機能を搭載し、どの厨房でも同じ味付けに仕上げることができる。革新的な3D立体調理モードでは、鍋を傾けたり回転させながら調理し、独自に開発したIH加熱技術によって最高350度の高出力と温度管理を実現した。また、独自開発のアルゴリズム「MAD(Multi-sensor Auto-learning Dispensive)」が機械学習をしながら味のパラメータをリアルタイムで最適化するため、地域に合わせたさまざまな味付けもできる。

調理ロボットは厨房運営の柔軟性を高めることでスタッフにかかる負担を減らし、導入した企業が多様化する市場の課題に効率よく対応できるようにする。

また、クラウドソリューションと組み合わせれば、レシピや食材、経営などのデータを世界中で共有できるため、業務の効率を高められる。ロボットやAI、データを融合した同社のソリューションは、飲食産業の運営モデルを改善するもので、ピーク時の業務安定化や、リソース配分と稼働率の最適化につながる。

ボッティンキットは設立から4年間で世界24の国・地域に進出し、飲食チェーンやスーパーマーケット、ホテル、機内サービス向けケータリングなどさまざまな活用シーンを開拓した。アジアや北米、欧州などの数十カ所に事業拠点を設け、顧客のグローバルな事業展開をサポートしている。

有名飲食チェーンの新店舗に導入された調理ロボット「Omni」(画像は企業提供)

エミレーツ・グループ傘下の世界的なケータリングサービス大手dnataは、ボッティンキットの調理ロボットを導入して厨房のデジタル化を実現し、業務効率と調理のクオリティを向上させたという。

dnataのケータリング&リテール部門を担当するロビン・パジェットCEOは「ロボットの導入当初から素晴らしい成果を得られた。今後もボッティンキットとの提携を継続して導入台数を増やし、自動調理やクオリティの高いケータリングサービスへのニーズに応えたい」と話した。

ボッティンキットによると、同社の支援を受けたある有名飲食チェーンはこの1年ほどで世界10カ国近くに20店舗以上を新規に出店し、地域性の違いや人材不足という2つの大きな課題を克服しながらクオリティと効率性を確保している。

創業者の陳鋭CEOは「当社は、顧客の厨房デジタル化や運営の効率化、グローバルな事業展開などを後押しするために技術革新を続ける。研究開発と生産を強化することで、AIを使った効率的な厨房デジタル化ソリューションを世界の顧客に提供していく」との方針を示した。

*1ドル=約155円で計算しています。

(翻訳・大谷晶洋)

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