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小米(シャオミ)が華為技術(ファーウェイ)に追いついた。カメラの性能調査を実施する「DXOMARK」のウェブサイト上で、シャオミの最新スマートフォン「Mi CC9 Pro Premium Edition」がファーウェイのMate30 Proと並んでトップ得点を獲得したのだ。
それを受けて、シャオミのCEO雷軍氏はファーウェイに対する見方が急に変わったようだ。「打倒ファーウェイ」という強い競争心から、今自分はファーウェイの最も良き理解者であり、最も愛しい人だと心を込めて語り、続いて雷軍氏はファーウェイに対し「共に手を携えて進もう」と呼びかけた。
雷軍氏は「大きな度量」を見せたいのだろう。これは大きく向上した技術力の上に成り立っている。5日に発表されたシャオミのMi CC9 Proの最も目立つ売りがカメラレンズだ。サムスンの1億800万画素のメインカメラを搭載するだけではなく、2000万画素の超広角レンズ、1200万画素の定番ポートレートレンズ、1.5cmのスーパーマクロレンズと超望遠レンズも備えており、イメージセンサーのサイズは1/1.33インチに達し、ファーウェイのP30 ProとMate30 Proの1/1.7インチよりも大きい。現在販売されている4眼クアッドカメラ搭載のスマートフォンと比べ、5眼ペンタカメラ搭載のシャオミハイエンドモデル「CC9 Pro Premium Edition」は確かに先を行っている。
当然、カメラ機能を強化されたCC9 Proはその他の装備の上で取捨選択がなされている。消費電力が大きいレンズに合わせて5260mAhの大容量バッテリーが採用されているが、チップはOPPOのReno 2と同じくQualcommのSnapdragon 730Gを使用している。
シャオミの価格体系は相変わらず良心的だ。CC9シリーズは粗利率において以前のデジタルフラッグシップシリーズよりは比較的高めに設定されていたが、今回のProの価格は2799元(約4万4千円)で雷軍氏によれば「儲からない」という。「Premium Edition」の価格は3499元(約5万5千円)で、オフラインの実店舗により多くの利益をもたらすためだ。
ただ、CC9 Proの位置づけはいささか曖昧だ。当初CC9の製品ラインナップの宣伝は女性ユーザー向けで、ファーウェイのnovaやOPPOやvivoのフラッグシップ機をターゲットとして狙っていて、そうしたことから雷軍氏は自ら小紅書(RED)で宣伝した。主な売りもフロントカメラレンズのセルフィー効果だった。しかし今回はノートのアップや予告宣伝はパラメータやウェブサイトのテスト評価等テクノロジー感満載だが、女性的なカラーは無く、人気アイドルユニットTFBOYSのワン・ユエン(王源)をイメージキャラクターに起用しても、CC9のかわいらしい少女的スタイルとは大きく異なっている。
しかも、シャオミがCC9 Proで自らのテクノロジーを見せびらかしたことに世間から戸惑いの声が上がっている。シャオミのCC9 Proは撮影において十分魅力的だが、新たな製品ラインナップとしては、ブランドイメージ引き上げの重責を果たすにはやや力不足だ。しかも若者向けのCCシリーズはユーザーの中でまだ愛着が形成されておらず、この製品に頼ってコストパフォーマンスのイメージを改善するのは難しいだろう。雷軍氏がDXOの第1位を獲得したことを発表した際、会場からの称賛は少なく、やや反応が冷淡であることもうなずける。
シャオミは現在ブランド戦略の確立に苦戦している。ブランドイメージを変えて、ユーザーグループを広げたいとしながらも、一方では従来の路線を完全に捨て去ることはできない。CC9 Proはそのようにいささか複雑な製品だ。今後シャオミのブランドイメージが向上できるかは、ハイエンドのフラッグシップモデルの製品力にかかっている。
(画像は公式に提供されたもの)
(翻訳・桃紅柳緑)
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