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中国の国産代替肉が初めて中国資本の外食チェーン店で発売されるようになった。
最近、中国の人気ティードリンク専門店「奈雪の茶(NAYUKI)」傘下の大型店舗「奈雪夢工場(NAYUKI FANTASY STORE)」が深圳でオープンした。1000平米余りの店舗で、ティードリンク、洋食、コーヒー、限定商品等の15種類、1000余りの商品が販売される。そのなかで、最も注目されているのが代替肉である。
今回発売される代替肉商品はハンバーガー等3種類で、原材料のサプライヤーは深圳の代替肉生産業者の「Starfield」社である。
上記商品はオープン当日の午後から発売され、好奇心旺盛な消費者のおかげで1時間で完売したという。
奈雪夢工場は代替肉商品専用の棚を用意しておらず、通常のハンバーガーと同じ棚に陳列した。すべてのハンバーガーの中で、代替肉商品の定価が最も高い(48元、約750円)にもかかわらず完売したことから、代替肉の人気度が窺える。
代替肉は通常2種類に分けられる。1つは植物から作られたもので、もう1つは動物の幹細胞で作られたものである。後者はコストが高く、まだビジネス化されていない。前者は既にビジネス化されており、今回奈雪が販売しているのは前者である。
バークレイズ銀行の予測によると、今後の10年間は代替肉の成長の黄金期で、全世界の食肉市場の10%のシェアを占め、市場規模は1400億ドル(約15兆円)になる見込みだという。その成長の理由として、食感は通常の肉とそれほど変わらないものの、脂肪率は大幅に低く、生産過程もより環境に優しいことが挙げられる。
奈雪の茶がこのタイミングで代替肉市場に参入したのには、戦略的な意図がある。まずは他の大手外食チェーンより先に代替肉の市場に参入するため。次に、同社の新しい成長分野を探るためだ。更に、他のチェーン店との差別化を図り、自社ブランドのハイテクというイメージを作り上げる意図もある。
奈雪と提携しているStarfield社は中国本土でも数少ない代替肉製造技術を持つ企業である。一方、設立してからの期間がまだ短いため、資金も技術も限られている。代替肉の市場規模がまだ小さい現段階では、知名度の向上や市場の開拓に外部の力を借りる必要がある。同社にとって、今回のような他社とのコラボや連携は効率的な方法だ。
Starfield社は原材料をベジタリアンフード大手の「鴻昶生物(HONG CHANG BIO-TECH)」から仕入れ、自社生産はしていない。生産も鴻昶生物と協力し、研究開発は北京工商大学、江南大学等と連携している。外部サポートを受け入れることが、Starfield社が迅速に代替肉の量産に成功した理由である。
奈雪が新商品を発売する前に、代替肉商品はすでに中国で販売されている。香港の代替肉メーカーの「Omni pork」は、9月の「タオバオ(Taobao)」が主催した若者向けのECイベントで大ヒットし、北京のホテルとも提携関係を築いた。また、中秋節期間中に、代替肉で作られた月餅も人気商品だった。
海外市場も代替肉に注目している。今年の8月8日、米国で、バーガーキングが代替肉ハンバーガーを発売した。価格は通常の肉で作られたハンバーガーより1ドル(約109円)高くなっているが、同商品を販売する店舗の発売当月の平均来店者数は全国店舗の平均より18%高くなった。この成功を受け、バーガーキングは25の国と地域で代替肉のハンバーガーを広めていく予定だという。
(翻訳:小六)
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