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3Dプリンターを活用したデジタル製造ソリューションを提供する中国企業「清鋒科技(LuxCreo)」はこのほど、歯列矯正用マウスピース大手の時代天使(Angelalign)から出資を受けた。両社はグローバル規模の戦略提携を結び、新たな3Dプリント材料の開発やスマートプラットフォームの強化、販売ネットワークの構築などに共同で取り組むという。
清鋒科技は2016年設立。最先端の3Dプリンターや後処理システム、AIを活用した設計ソフト、高性能材料を組み合わせることで、データから製品までをシームレスにつなぐデジタル製造プロセスを確立している。医療やスニーカー製造など幅広い分野で採用が進んでおり、なかでも歯列矯正用マウスピースの製造が中核事業となっている。
世界的にマウスピース矯正の需要が拡大するのに伴い、関連する歯科用医療機器市場も成長を続けている。国盛証券の予測では、2030年に世界の市場規模が800億ドル(約12兆2000億円)を超える見通しだという。デジタル技術の導入により治療の効率化や快適性が進むなか、とりわけマウスピース矯正が歯科分野のデジタル化を牽引している。
熱成形法で作成する従来の矯正用マウスピースは、生産工程が多く完成までに時間がかかり、誤差が生じやすいという課題があった。清鋒科技は、独自開発の形状記憶素材「ActiveMemory」を使い、3Dプリンターで直接マウスピースを作成するという画期的な方法を開発した。中間工程を省くことで製造効率を高め、96.25%という高精度を実現した。
同社の楊尚祐CEOは「光硬化方式による直接プリント技術は、厚みのコントロールが容易で、フィット感に優れたマウスピースが作れる」と語る。部位ごとに厚みや柔軟性を調整できるため、患者ごとに最適な矯正力を設計できる点が強みだ。
加えて、直接プリント方式ではプロセスがシンプルになり、材料のロスやコストを抑えて効率化を図ることができる。患者の待ち時間短縮やクリニックの運営効率改善にもつながる。また、製造精度が向上したことで、歯の表面に取り付ける固定用の突起を減らすことができ、見た目の自然さ・装着時の快適さも高まった。
形状記憶素材のActiveMemoryは、お湯に浸すだけで元の形状に戻る特性を持つため、安定した矯正力を長期にわたって維持できる。楊CEOは「歯科医師たちも『毎日新品を装着しているような感覚』に大いに注目している」と自信を見せる。
清鋒科技の売上の80%以上が欧米市場で、歯科関連事業が全体の7割超を占める。楊CEOは、今後2年間は引き続き欧米市場を重点戦略とし、今回の時代天使との提携を通じて、次世代のデジタル矯正ソリューションをグローバルに展開していく計画だという。
*1ドル=約153円で計算しています。
(翻訳・畠中裕子)
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