香港、IPO調達額で世界首位に復活 中国本土大手の“回帰”加速

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香港の李家超(ジョン・リー)行政長官は11月4日、香港で開催された「国際金融サミット」に登壇し、2025年1~10月に香港取引所に新規上場した企業は80社、新規株式公開(IPO)による調達額は計260億ドル(約4兆円)を超え、世界の主要取引所で首位となったと明らかにした。香港がIPOによる資金調達額で首位に立つのは2019年以来となる。

李氏はまた、同期間中の香港株式市場の1日平均取引額は320億ドル(約4兆9000億円)余りと、前年同期の約2倍に拡大し、市況が明らかに改善しているとの認識を示した。

香港取引所では2025年に入ってから大型IPOが相次いでいる。5月には車載電池最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)」が上場し、約52億5000万ドル(約8100億円)を調達。25年最大の新規株式公開(IPO)となった。

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また、恒瑞医薬(Hengrui Pharmaceuticals)や海天調味食品(Haitian Flavouring & Food)、東鵬飲料(Eastroc Beverage)、賽力斯集団(Seres Group)といった上海取引所に上場済みの中国大手企業が、相次いで香港取引所への重複上場を果たした。10月時点で香港取引所に上場した中国企業は26社を超え、過去3年間の合計を上回った。

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2024年以降、中国本土と香港の規制当局は足並みをそろえ、中国企業の香港上場を後押ししている。中国証券監督管理委員会(CSRC)は、中国本土の大手企業の香港上場を促進するため、「香港市場を支援する5項目の措置」を発表。香港証券取引所(HKEX)は専門テクノロジー企業(上場規則第18C章で定義)の上場制度を最適化し、業績などの条件を緩和、非公開での目論見書提出を可能とした。上場申請の審査手続きの迅速化や、人民元建て株式取引やクロスボーダー決済の利便化なども進めている。

JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなども2025年に入ってから、中国の株式資産の格付を相次いで引き上げた。JPモルガン・チェースのチーフストラテジスト(中国株担当)の劉鳴鏑氏は「中国株は24年に底を打ち、25年は回復基調が続いている。香港株はバリュエーション上の優位性を保っている」との見解を示した。

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*1ドル=約154円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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