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中国の画像処理半導体(GPU)メーカー「沐曦集成電路(METAX)」は12月17日、上海証券取引所のハイテク新興企業向け市場「科創板」に上場した。12月5日には同業の「摩爾線程(Moore Threads、ムーア・スレッド)」も同市場に上場しており、次なる成長銘柄誕生に市場の期待が集まった。
METAXの公募価格は104.66元(約2300円)。初値は700元(約1万5400円)、終値は692.95%高の829.9元(約1万8300円)をつけ、時価総額は3300億元(約7兆2600億円)を突破し、ムーア・スレッドの初日を超えた。ムーアの初日終値は公募価格の425%高、時価総額は2822億5200万元(約6兆2100億円)だった。
MetaXは2020年9月に設立され、主に人工知能(AI)向け汎用GPU(GPGPU)の開発を手がけている。目論見書によると、2025年3月までに販売したGPUは累計2万5000個を突破し、AI計算の公共プラットフォームや、通信事業者のAI計算センターなどに大規模導入されている。「千個規模のGPUクラスター」の実稼働を達成した中国有数のGPUメーカーではあるが、2024年の中国AIチップ市場におけるシェアはわずか約1%だったという。
国産化加速で「打倒エヌビディア」へ
米投資銀行バーンスタインは2024年に発表したリポートで、中国のAIチップ市場では27年までに華為技術(ファーウェイ)の「昇騰(Ascend)」など国産チップのシェアが55%に上昇し、米エヌビディアのシェアは23年の約90%から35%以下に低下すると予測した。
現段階で、MetaXやムーア、壁仞科技(Biren Technology)といった新興半導体企業が、技術成熟度や量産能力の面でファーウェイに肩を並べるのは難しいが、中国が進める半導体の国産化を大きく後押ししていることは間違いない。
MetaXの業績は急拡大しているものの、依然として赤字が続いている。しかし目論見書では、製品の市場シェアや顧客数の拡大を背景に、「早ければ2026年にも損益分岐点に達する」との見通しを示している。
*1元=約22円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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