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ドローン製造世界最大手DJI(大疆創新科技)が、子会社を通じて自動運転車向けティア1の領域に一歩近づいた。
DJIの社内インキュベーションで誕生した子会社「Livox Technology(覧沃科技)」は7日(現地時間)、米ラスベガスで開催中の世界最大のデジタル技術見本市「CES 2020」で自動運転車向けのLiDAR製品「Horizon」および「Tele-15」を発表した。
いずれもL3・L4自動運転車向けに設計された製品だ。Horizonの最大検知範囲は260メートルに及び、公式販売価格は800ドル(約8万7000円)で、発表当日に予約受付を開始した。一方、Tele-15は最大検知範囲が500メートルで「世界最高」をうたう車載LiDARだ。公式販売価格は1200ドル(約13万円)で、今年第2四半期に発売予定となっている。
Livoxはこれまでに三つのLiDAR製品を発表している。昨年1月にはMidシリーズとして「Mid-40」と三つのMid-40で構成された「Mid-100」を発表しており、主に工業分野やドローンの障害物回避、セキュリティ、スマートシティなどに活用されてきた。同シリーズのHFOV(水平視野角)は約40°と比較的狭かったが、今回発表されたHorizonは約80°にまで広がっている。また従来型のLiDARと異なり、Livoxの製品は走査パターンが非反復型となっており、経過時間が長くなるほど100%に近い視野カバー率を実現する。
さらに現在市場に流通する製品と比較して、Livoxは価格面でも強みを持つ。Horizonを例に挙げると、同製品のスペックは最大検知範囲260メートル、HFOV(水平視野角)81.7°、VFOV(垂直視野角)25.1°で、5個のユニットを使用すると360°の視野をカバーできるが、これにかかるコストはレーザー線数64本のメカニカルLiDARのわずか5%だ。
DJIはすでに自動運転を手がける中国のスタートアップ「AutoX」のサプライヤーとなっている。
そのAutoXはCESでフィアット・クライスラー(FCA)との提携を発表。共同で自動運転車「Pacifica X(捷龍星)」の開発を行うとともにロボタクシー事業も展開していくとした。今年は深圳、上海などで正式に大規模運営をスタートし、名実ともに「中国初のロボタクシー」を目指していく。また、Livoxが今回発表したHorizonおよびTele-15はPacifica Xに実装される見通しだ。
自動運転の完全実現はまだ遠いものの、LiDARやソフトウェアアルゴリズムなどの関連ツールはすでに新たな競争段階に入っている。
(翻訳:愛玉)
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