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自動運転を手がける中国のスタートアップ企業「AutoX」は1月6日(米国現地時間)、欧米自動車大手のFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)と提携し、自動運転による「ロボタクシー」をリリースすると発表した。
AutoXの肖健雄CEOによれば、今回の提携で採用されるのはFCA傘下のクライスラーがグーグル系自動運転スタートアップ企業ウェイモに提供した車種と同じものであるという。この車種は冗長性設計によるステア・バイ・ワイヤシステムを特徴としており、かつ自動運転を想定した設計であるため、あえてシステムを変更する必要がない。このため、同車種はL4での自動運転に必要なハードウエアを完備しており、導入以降はソフトウエアとデータのアップデートのみで済む。
AutoXはさらに、半導体メーカー大手のNVIDIAが開発したPEGASUS 2をベンチマークとしたL4向けの車両制御ユニット(VCU)を発表した。同ユニットは、中国企業が発表した初のL4制御ユニットである上に自動車向け機能安全規格を満たしており、液体冷却装置を搭載。さらにLiDAR、ミリ波レーダーおよびカメラなど複数のセンサーと互換性があるため、それぞれと連携が可能だ。肖氏は同VCUが中国のL4車載アルゴリズムにおける初のブレイクスルーであると述べている。
同VCUはクライスラーとの提携車種のルーフ部分に設置されるが、LiDARとミリ波レーダーが各6個およびカメラ12個とともに超薄型のボックス内に高度に集積され、成熟した商用化プランが確立している。注目すべきはAutoXがその設立当初からフルビジョンプランの採用で有名となった点であり、現在のレーザーとミリ波レーダーはすでにL4に達し、同社がレーダーのコスト削減に果たした功績は非常に大きい。肖氏によれば、車載レーダーのコストは1件あたり10万ドル(約1100万円)だったが、現在は約6000ドル(約65万円)まで下がったとのことだ。
ウェイモと同様、AutoXの技術はまずロボタクシーに導入される模様。AutoXは昨年9月に上海市嘉定区政府との契約を締結し、全国初の自動運転車運営モデル区を設置した。さらに11月には深圳政府から路上試験のライセンスを取得したほか、深圳最大のタクシー運営会社である「鵬程電動汽車出租」との提携も果たしている。
一級都市の繁華街におけるロボタクシーの運営は、最も商業価値の高いシーンであるとAutoXは考える。同社のビジネスでは、自動運転プランをタクシー会社に販売し、初期費用およびその後のレベニューシェアにより収益を得る予定。ドライバーが不要となることで、タクシー1台につき1年でハードウエア導入費を回収できる計画だ。ロボタクシーによる収入は5~10年以内に自動運転市場の半数を占め、市場は極めて巨大だと肖氏はみている。
このほか、AutoXは路上テストの状況についても明らかにした。世界最大のデジタル技術見本市「CES2020」開催で最大級のにぎわいをみせる米ラスベガスでも、人の介入なしでの完全自動運転が路上で試験的に実施されており、車線変更や複雑な交差点での信号の識別も行っているという。使用している高精度地図もAutoXが自社制作したものだ。同業他社による閉鎖環境での路上テストに比べ、AutoXの繁華街での路上試験および蓄積データは、同社のコアコンピタンスの一つとなっている。
(翻訳・神部明果)
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