バッテリーシェアリングの「怪獣充電」が77億円超を調達 ソフトバンクGが出資を主導

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モバイルバッテリーのシェアリングサービスを展開する「怪獣充電(Energy Monster)」が、シリーズCで5億元(約77億6000万円)を調達した。ソフトバンクの投資子会社ソフトバンク・ベンチャーズ・アジアが出資を主導し、「高瓴資本(Hillhouse Capital)」、「順為資本(Shunwei Capital)」などの既存投資家が加わる。ほかにも多数の投資家が出資に参加しており、それぞれの出資金額については確定しているとのこと。

2019年4月、怪獣充電は3000万ドル(約33億円)を調達したと発表した。情報によれば、実際に出資を受けたのは2018年末とみられる。その件について、もともと公表する予定のなかった同社だが、昨年4月に「資金調達のための事業計画書」の流出騒ぎがあったため、上層部がやむなく公式発表に踏み切ったのだ。それ以前から出資に参加していた高瓴資本、順為資本、シャオミ(小米科技)、「清流資本(Crystal Stream Capital)」、「藍馳創投(BlueRun Ventures)」、「雲九資本(Sky9 Capital)」などのうち一部が今シリーズでも出資を行うほか、「新天域資本(New Horizon Capital)」および「美団(Meituan)」の元COO干嘉偉氏などが新たに出資に参加する。

活気の感じられなかった2019年のベンチャー投資市場で、一度は衰退したと言われたモバイルバッテリーシェアリングが再び脚光を浴びた。2019年の夏以降、バッテリーシェアリング事業者が一様に値上げに踏み切ったことが報道され、黒字経営を実現したと公言する事業者も現れた。調査会社の「艾媒諮詢(iiMedia Research)」によれば、中国のモバイルバッテリーシェアリングのユーザーは2019年に3億500万人に達しており、2020年には4億800万人に拡大するという。

ある投資家によれば、ソフトバンクグループが怪獣充電に投資した大きな理由は、バッテリーシェアリング業界は収益化が十分見込める業界だからだという。

ソフトバンクグループが巨額を投じた米シェアオフィス大手「WeWork」のIPOが頓挫するなどマイナス材料が多く出る中、孫正義氏は投資戦略の抜本的な見直しを行っている。このところ孫氏はソフトバンク・ビジョン・ファンドが出資している会社に向けて、強力なキャッシュフローを生み出すことを目指すようにメッセージを送っている。孫氏はこう語る。「私たちは各企業が強固な財務基盤を築くようサポートする必要がある。そのようにして初めて投資家は企業に期待することができるのだ。単に売上高や総流通総額(GMV)、ユーザー数の問題ではない。上場は企業が黒字化を達成し、十分なキャッシュフローを生み出し、それを持続できる状況で行うべきだ」

現在、モバイルバッテリーシェアリング分野には、怪獣充電のほか「小電(XiaoDian)」、「街電(JieDian)」、「来電(LaiDian)」がある。この業界の4強構造がソフトバンクグループの参入により崩れるか否か、今後も注目する必要がある。
(翻訳・畠中裕子)

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