AI研究者世界番付、米国が寡占状態へ ー中国TOP大学が独自発表

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中国の最高学府とされる清華大学が11日、「AI(人工知能)分野で最も影響力を持つ世界の研究者ランキング(AI2000)」を発表し、全世界から2000人が入選した。うち米国人研究者は延べ1128人と圧倒的多数で、中国人研究者はこれに次ぐ延べ171人だった。中国にはそもそも優れた研究者を集めた研究機関が少なく、AI特化人材による組織の強化が急務だ。

国別トップ3は米中独

ランクインした2000人を国別でみると、米国人研究者は全体の61.4%を占める延べ1128人。2位の中国人は9.3%を占める延べ171人、3位はドイツで欧州最高位だった。その他の国はすべて100人以下となっている。

上位10カ国

組織別ではグーグルが首位

ランクインした研究者の所属組織で最も多かったのが米グーグル社で165人だった。入選した研究者数が100人を超えたのは同社だけだ。中国から組織別で上位10位に入選したのは清華大学のみで、その他の組織はすべて米国からランクインしている。

上位10機関

マルチに成果を上げる研究者たち

入選した2000人のうち、多くの研究者が複数分野を研究していることもわかった。コンピューターサイエンス分野における世界最高峰の「チューリング賞」を2018年に受賞したヨシュア・ベンジオ氏、米アマゾンでAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)を手がけるアレックス・スモラ氏の両氏が4分野でランクインしたほか、19人が3分野で、118人が2分野でランクインしている。

女性の入選最多分野はHMI分野

入選した研究者を男女別にみると、女性は175人にとどまった。中でも女性の比率が最も高かった分野はヒューマンマシンインタラクション(HMI)で、24%を女性が占めた。

最も人気のテーマ

研究テーマ別でみると、上位10位はニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、機械学習、コンピュータービジョン、モバイル機器、ソーシャルネットワーク、音声認識、情報検索、サポートベクターマシン(SVN)、データマイニングだった。

論文発表件数を基にした人気テーマの推移

AI研究に最も熱心な国

AI研究に対する熱量を国別に見ると、上位10カ国は米国、中国、英国、ドイツ、カナダ、日本、豪州、韓国、イタリア、フランスだった。

以上のランキングは、清華大学人工知能研究院などが中心となり、今後10年間に世界で最も影響力を持つと予想される2000人のAI研究者を毎年選出するもの。AI関連の研究分野を20に分け、各分野から100人を選出し、合計2000人を選ぶ。選定基準は過去10年間に各分野で最も影響力を持ったカンファレンスや定期刊行物で発表された論文の件数だ。学術論文検索サービス「Google Scholar(グーグルスカラー)」で取得した2019年12月31日時点のデータを基に、科学関連データのインデックスや検索を行う「AMiner」が自動集計した。

20分野それぞれで首位に選出された研究者は、下記の通りである。

・AIオーソリティ(米人工知能学会/国際人工知能会議)、香港科技大学の楊強氏

・機械学習、非営利団体OpenAIのIlya Sutskever氏

・コンピュータービジョン、米フェイスブックの何愷明氏

・自然言語処理、米スタンフォード大学のChristopher D. Manning氏

・ロボット、独フライブルク大学のWolfram Burgard氏

・音声認識、カナダのトロント大学のGeoffrey E. Hinton氏

・データマイニング、スタンフォード大学のJure Leskovec氏

・情報検索・レコメンデーション、カタールのハマド・ビン・ハリーファ大学のHaewoon Kwak氏

・データベース、米カリフォルニア大学バークレー校のMichael J. Franklin氏

・ヒューマンマシンインタラクション、米カーネギーメロン大学のRobert E. Kraut氏

・コンピューターグラフィックス、米マサチューセッツ工科大学のFrédo Durand氏

・マルチメディア、米カリフォルニア大学のTrevor Darrell氏

・データ可視化、米ワシントン大学のJeffrey Heer氏

・セキュリティ・プライバシーで、カリフォルニア大学バークレー校のDavid Wagner氏

・コンピューターネットワーク、スタンフォード大学のSachin Katti氏

・コンピューターシステム、英オックスフォード大学マグダレン校のMicheal Isard氏

・計算理論、米IBMのCraig Gentry氏

・チップ技術、マサチューセッツ工科大学のAnantha Chandrakasan氏

・IoT、米テキサス大学オースティン校のJeffrey Andrews氏

※文中の表・データなどは「AI2000」より
(翻訳・愛玉)

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