世界最大手のEV電池メーカー寧徳時代(CATL)、株価が記録更新

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時価総額が2197億元(約3.5兆円)に達した2日後の2019年12月26日、中国リチウムイオン二次電池(LIB)大手 の「寧徳時代(CATL)」の時価総額が2321億元(約3.7兆円)に達し、中国株式創業板(チャイネクスト)のトップとなり、最高記録を更新した。

同社は2018年6月にもチャイナネクストの時価総額トップになったことがある。当時の時価総額1266億元(約1兆円)と比べると、現在の数字は倍になっている。競合相手の「比亜迪(BYD)」の株価は低迷が続いているため、中国国内の動力電池市場は寧徳時代の独状況となった。

2019年12月以降、リチウム電池業界全体で株価の上昇が著しくなっている。寧徳時代のほか、「威唐工業(VT Industrial Technology)」、「旭昇股份(NINGBO XISHENG AUTO TECHNOLOGY)」、「保隆科技(SHANGHAI BAOLONG AUTOMOTIVE)」等も好調だ。

その中でも最も注目を集めているのは米国のテスラだ。米国時間の2019年12月24日、中国系銀行からの融資を受けたという情報により、テスラの株価は最高値を更新し、CEOイーロン・マスク氏が2018年8月に非公開化を宣言したときの420ドル/株の取得価格をも超えた。

テスラの好調が中国の自動車電池メーカーにも自信を与えている。

一部の分析結果では、中国国内の自動車市場の低迷は2020年まで継続すると予測しているが、長期的に見れば、新エネルギー車が主流になるのは時間の問題だ。関連の分析によると、動力電池は電気自動車のコア部品であるため、グローバルな動力電池業界の純利益は今後10年間で、10倍になる見込みだという。

調査によると、2019年度の中国国内新エネルギー車の生産台数は135万台で、市場浸透率は約6.4%である。この数字は2020年に7.8%を突破する見込みだ。最近、中国工業情報化部が発布した「新エネルギー車産業発展計画(2021~2035年)(意見募集稿)」によると、2025年の中国の新エネルギー車の販売台数の自動車全体におけるシェアを25%にするという目標を立てている。

政府が一連の支援策を打ち出し、また、ダイムラー・クライスラー、フォルクスワーゲン、BMW、トヨタなどの海外メーカーも積極的に新エネルギー車の生産へ方向転換している。

寧徳時代は2011年に設立された企業であるが、たったの7年間で業界のトップとなった。

その理由は第一に製造と研究開発に膨大な投資をしたことである。同社は、最多の研究開発者を擁し最大規模の研究開発投資を行い、2014年にBMWの中国合弁会社「華晨宝馬」との連携を始め、膨大な金額な資金調達を行い、自社の中核的技術の競争力を強めた。

次に、大手取引先をいち早く確保し、ブランド価値を印象づけたことも大きい。国内の大手自動車メーカーだけでなく、2019年の下半期にはボッシュ、ダイムラー・クライスラーなどとの提携を発表した。また、BMWからの発注は2018年の40億ユーロ(約4900億円)から73億ユーロ(約8900億円)に増え、寧徳時代にとって史上最高額の発注となった。

更に、中国政府が新エネルギー車を強力にサポートし、外国独資企業の投資を禁じるなどの政策により、競合相手の数が抑えられたことも挙げられる。

(翻訳:小六)

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