飲食店のチェーン化をサポート スマートキッチンで省人化・標準化を目指す「UTCOOK」

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2018 年には、中国の飲食業界におけるチェーン店の比率は5%に過ぎなかった。一方、米国では同比率が30%であった。また、O2Oプラットフォーム大手「美団(MEITUAN)」の調査レポートによると、2017年の廃業店舗数はオープン店舗数の91.6%に上った。従来の飲食店の経営方法だと、家賃、人件費、原材料のコストが高く、粗利率が低く、大規模な展開につながりにくい。

36Krが最近取材したスマート厨房電気設備企業「優特智厨(YOUTE INTELLIGENT KITCHEN)」は、大規模なビジネス展開が困難となっている要因には、シェフに頼りすぎて、料理の規格化が実現できていないことがあると考えている。

「優特智厨」は電力設備企業の「優特集団(UT GROUP)」の子会社である。2007年に研究開発チームを組織し、スマート飲食設備の研究開発に力を注いできた。これまでの12 年間で、2億元(約32億円)超を投資し、電子レシピ、調味料コントロール、温度制御等について、700余りの特許を取得し、モジュール化した製品を開発してきた。

最近、「優特智厨」は給食業者向けのスマート回転型炒め機を開発した。1名のスタッフで同時に3台の炒め機を操作することが可能で、料理の味の規格化を実現した。設備の応用に向け、同社は管理用クラウドプラットフォーム、およびコントロールシステム、店舗のバックエンド、モバイル端末アプリ等もローンチした。

スマート厨房設備のポイント:同じ味の料理を大量に作ることができる

同社によると、これまでの10年間、中国の飲食業界では、厨房設備のアップグレードが進んでいないという。ここ数年で大規模な展開を実現したのは火鍋、コーヒー、ミルクティーのような規格化した生産が可能な料理だけだった。しかし、中華料理、とりわけ炒めものにはまだ規格化のいい方法がなく、味を再現する技術がなかった。

同社は、スマート厨房設備のポイントは自動化が実現した上で、同じ味の料理を大量に作ることにあると考えている。具体的には、火加減と調味料のコントロール、および如何に簡単に操作できるかという点にポイントがあるという。

企業ごとにモジュール化した製品で細かい分野をカバー

規格化の実現のほか、同社のサービスにより飲食店における生産、運営および管理コストの低減を実現できる。現時点の技術では、1年余りで設備投資のコストを回収できる。また、以後大規模な量産が実現した場合、設備は更に安くできるという。

また、より深くユーザー側のニーズを把握するために、同社はレストラン「考拉家」を設立した。店舗全体をスマート化し、自社開発の各種スマート厨房電化製品を使用する予定だ。

今後の市場の開拓について、同社は課題が多い企業クライアントを優先し、給食やファーストフード業者から着手し、彼らに付加価値のあるサービスを提供する予定だ。今後市場が成熟したら、個人消費者向けサービスを提供する予定だという。

製品の面では、使用頻度の高いもの、例えば炒め機から始め、他の製品を徐々に展開する予定だという。2020年に5~6種類の製品を発売し、1千万元(約1.6億円)の売り上げを目標としている。また、モジュール化を実現したため、設備の研究開発期間を数カ月に短縮でき、飲食業界の個性化のニーズに応えられるという。

同社は今後、ビジネス用と家庭用の厨房やキッチン設備のメーカーと連携し、従来の商品をアップグレードするほか、より速く市場を拡大することを狙っている。

長期的には、同社は中華料理の規格化のためのオープンプラットフォームを構築することを目指している。中華料理のデータ化、スマート化、規模化を実現し、中華料理店の規模拡大という課題を解決したいという。

現在、同社は最初の資金調達を行っている。

(翻訳:小六)

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