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現在、中国にある無数のビルの5%で、カーテンウォールの外壁が使われている。3元(約48円)/平方メートルの料金基準とし、年間の洗浄回数を2回とすると、中国国内におけるカーテンウォール洗浄の市場規模は200億から400億元(約3200億~6400億円)以上になる。また、省都クラスの都市の政府部門が、高層ビルの外壁の清掃について、高層ビル外壁清掃と管理会社の基準を制定したことにより、清掃料金が大幅に上昇している。
従来のカーテンウォールの洗浄では主に人間のスタッフにより、ロープ、リフトなどを使用して作業を行う。このような作業方法はスタッフの技量が求められ、高所作業者の資格が必要だ。人件費の高騰による作業コストも上昇している。
こうしたことからこの分野では、ロボットで人間を代替するニーズが高まっている。「映星智能(Yingxing Zhineng)」は高所作業ロボットの開発を2016年に開始し、2018年年始に会社を設立した。現在までの4年間に4回の新機種をリリースし、現在は60社余りのビル管理会社や清掃会社の取引先を抱えている。
同社が開発した「智蛛人(ROBOWISE FRAMEWORK)」シリーズのカーテンウォール清掃ロボットは、自動で登り降りしたり、障害を超えたりすることができる。また、多方向移動式ロボットアームがあり、清掃範囲を広げることができる。また、異なる外壁の形状と材質に合わせて、適切な洗浄液を自動的に選定し使用することができる。
また、同社は自社開発のロボットの昇降システムとアルゴリズムを用いて、垂直と水平の2方向移動を実現した。現在の洗浄効率は150平方メートル/時間で、従来の人工作業の3~4倍の効率を実現している。
ロボットが異なる壁面を識別する技術は、画像系AI認識によるものだ。同社の画像系技術で窓枠、窓ガラスなどを識別できる。測位にはGPS等を使い、センチメートル単位の位置測定を実現。また、自社開発したアルゴリズムによって外壁障害回避および洗浄ルートを自動で計画することができる。
また、同ロボットはマニュアル操作と自動運転ができる。同社は管理監督のためのビッグデータクラウドプラットフォームにより、ロボットの運転状況についての全面的なデータ収集とコントロールができる。
クライアントについては、映星智能は初期段階では設備を個別に販売することを行わず、洗浄サービスを提供している。主要ターゲットはビルの管理会社である。同社CEOの申逸飛氏によると、より低い価格で質の高い清掃サービスを購入することがビルの管理会社の実需であり、智蛛人なら平米あたりのコストが人工作業より20%から30%減となる。また、安全性の面でも危険性が低く、更に、ビル外壁のデータ記録、清掃プランのカスタマイズ、およびカーテンウォールの検査と測定等の付加価値のあるサービスを提供できる。今後はカーテンウォールの検査と測定、ビル外壁塗装などができる機器の開発を進めているという。
同社は今後、清掃会社との連携を行う予定であり、清掃会社の人手不足の軽減、コスト削減、利益の向上ができると見込まれる。今後、代理店方式を採用し、各地域の市場を開発する予定だという。申氏によると、外壁清掃の単価が中国の10倍もあり、市場規模が約5000億元(約8兆円)超だと分析する欧米や日韓などの先進国などの海外市場進出も視野に入れている。
(翻訳:小六)
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