中国版NVIDA「ムーア・スレッド」、上場後初の四半期黒字を達成 AI需要爆発で売上155%増

中国産GPU(画像処理半導体)大手「摩爾線程(Moore Threads、ムーア・スレッド)」がこのほど、2025年通期および2026年1~3月期決算を発表した。同社の製品はAI(人工知能)コンピューティングの高速化、グラフィックレンダリング、動画処理を網羅している。中国国内で米NVIDIA(エヌビディア)の主要な代替候補の一社と目されており、2025年12月5日には上海証券取引所のハイテク新興企業向け市場「科創板」へ上場を果たした。

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摩爾線程の1~3月期のデータによると、売上高は前年同期比155.35%増の7億3800万元(約170億円)となった。親会社株主に帰属する純利益は2936万元(約6億8000万円)となり、上場後初めて四半期ベースで黒字化を達成し、前年同期比で1億4200万元(約33億円)増加した。注目すべきは、政府補助金などの非経常損益を除いた調整後純利益が依然として5428万元(約12億円)の赤字であったものの、赤字幅が60.10%縮小した点である。

25年通期の売上高は、前年比243.37%増の15億500万元(約350億円)、売上総利益(粗利益)は218.43%増の9億8700万元(約230億円)となった。親会社株主に帰属する純利益は38.16%減、非経常損益を除いた純利益の赤字幅は33.38%縮小した。研究開発投資に関しては、25年通期の研究開発費は13億500万元(約300億円)にのぼり、売上高に占める割合は86.68%にまで達した。

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AIコンピューティング能力の需要が急増する中、摩爾線程の商用化プロセスは加速を続けている。同社は今年3月、インテリジェントコンピューティングクラスタ「誇娥(KUAE)」に関する総額6億6000万元(約150億円)の契約を公表したが、この金額は2026年1〜3月期の売上高の9割に迫る規模だ。同クラスタは1万枚規模のGPUによるトレーニング用インテリジェントコンピューティングクラスタであり、1兆パラメータ級の大規模言語モデルのエンドツーエンドの学習を実現できる。同社は、1000枚、1万枚の大規模クラスタの商用化を実現した、市場でも数少ないGPUサプライヤーであると表明している。

摩爾線程は次世代GPUアーキテクチャ「花港(Huagang)」を基盤に、GPU10万枚規模の超大規模インテリジェントコンピューティングクラスタの構築や、スーパーノードなどの中核技術の研究開発を推進しているという。

*1元=約23円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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