中国200都市で無人配送、累計5000台超を納入 白犀牛がシリーズCで160億円調達
中国の無人配送車メーカー「白犀牛(Rino.ai)」は10月8日、シリーズC2での資金調達を完了したと発表した。これにより、シリーズCでの累計調達額は1億ドル(約160億円)に達した。本ラウンドは、物流不動産大手GLP傘下の隠山資本(Hidden Hill Capital)が主導し、湘潭市の政府フォンド、深圳市重大産業投資集団、韓国のウリィ金融グループなども参加した。調達資金は主に、L4のエンド・ツー・エンド型自動運転技術やフィジカルAI能力の高度化、都市部での運行ネットワーク拡大に充てられる。
白犀牛は2019年設立。創業チームは百度(Baidu)の自動運転部門出身で、当初はスーパーなどへの生鮮食品配送から事業を開始した。23年に宅配・物流分野へ軸足を移し、宅配拠点から受取ステーションまでのラストワンマイル輸送に注力している。中国宅配大手の「順豊速運(SFエクスプレス」)は24年8月に初出資して以降、複数回にわたり追加出資している。
白犀牛によると、これまでに無人配送車を累計5000台以上納入し、中国200都市以上で日常的に運行している。顧客には順豊速運のほか、中国郵政(China Post)、京東(JD.com)などが名を連ねる。事業モデルは大きく2つに分かれる。1つは自動車メーカー向けに、自動運転のソフトウエアとハードウエアを一体化したソリューションをライセンス供与する事業。もう1つは、実際の運送案件ごとに料金を徴収する、車両群による輸送サービスを提供する事業だ。
事業用途も広がっている。26年4月には、トラック配車大手「貨拉拉(Lalamove)」と山東省臨沂市で無人貨物輸送サービスを開始した。車両数はすでに200台にまで拡大し、個人ユーザーや小規模事業者向けに即時配送サービスを提供している。また、順豊速運と共同開発した無人車は、物流用ロールボックスを自動で積み降ろしできる機能を備え、すでに同社の中継拠点で運用されている。

一方、本格的な事業拡大にはなお課題が多い。白犀牛の黄剛総裁はこれまでに、中国では無人配送車の公道走行に関する統一ルールがまだなく、都市ごとに個別認証が必要なため、地域をまたいだ事業展開には高いコストがかかると指摘している。また、業界では早くも価格競争に陥っているという。配送件数に応じて料金を徴収するモデルでは、車両の維持管理費や、稼働していない時間のコストも事業者側が負担する必要がある。
さらに、無人配送分野の大手である九識智能(Zelos)や新石器(Neolix)と比べ、白犀牛は車両規模、資金調達規模のいずれでも現時点では優位に立っていない。
*1ドル=約158円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)