中国の人型ロボット「AGIBOT」、最大345億円を調達へ 評価額は約1兆円超、年内の香港IPOは困難か

中国の人型ロボット(ヒューマノイド)ブランド「智元機器人(AGIBOT)」を展開する「智元創新(AgiBot Innovation)」が、新たな資金調達を進めている。中国経済メディアの財経によると、調達規模は約10億〜15億元(約240億〜360億円)で、交渉は最終段階に入っている。最新の評価額は約500億元(約1兆2000億円)。

智元創新は2026年7月、香港上場に向けた手続きを開始すると発表した。当時、投資家の一人は、目標評価額が400億〜500億香港ドル(約8000億~1兆円)だと明かしていた。

ただ、今回の資金調達により、上場時期が後ろ倒しになる可能性がある。香港証券取引所の規定では、上場申請後に新たな資金調達を完了した企業は、適用除外が認められない限り、資金調達の完了から120日が経過した後でなければ上場できない。このため、年内の上場は難しくなるとみられる。

智元創新は23年2月に設立された。これまでの発表によると、売上高は23年の約30万元(約720万円)から、24年には6000万元超(約14億円)、25年には10億5000万元(約250億円)へ拡大した。同社は26年に数倍の増収を計画している。

同社は市場調査会社IDCのデータを引用し、26年上半期(1〜6月)の人型ロボット出荷台数が8600台を超え、世界首位に立ったと発表した。世界シェアは約35%、中国市場では45%超を占めた。9月24日には累計生産台数が2万台に到達。1万台から2万台への倍増にはわずか半年だった。

中国AGIBOT、人型ロボット出荷で世界首位 上半期8600台超

これまでの出資者には、高瓴創投(GL Ventures)、テンセント、紅杉中国(HongShan)、百度風投(Baidu Ventures)のほか、EC大手の京東(JD.com)、自動車大手のBYD(比亜迪)と、上海汽車(SAIC)および北京汽車(BAIC)傘下の投資機関などが名を連ねる。

事業会社からの出資は、ロボットの導入先開拓にもつながっている。例えば京東物流(JDロジスティクス)とは、重量物を扱う「精霊G2 Max」を共同で発表し、京東物流のスマート倉庫に導入する方針を示した。

一方、業界では今年、20社超のフィジカルAI関連企業が上場を計画するなか、審査が厳格化している。中国証券監督管理委員会は非公式な行政指導を通じ、人型ロボット企業のIPO審査のハードルを引き上げ、受注や売上高の実態と持続可能性を重点的に確認するよう求めているという。

上場後の評価にも変化が見られる。財経の10月13日付報道によると、ロボット大手「宇樹科技(Unitree Robotics)」の時価総額は、ピーク時の約4449億元(約11兆円)から約1704億元(約4兆1000億円)に減少し、下落率は6割を超えた。

ヒューマノイドは「大規模導入の段階ではない」 上場直後、Unitree創業者が語った現実

※1元=約24円、1香港ドル=約20円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

日本企業のDXを促進するプラットフォーム「CONNECTO」
無料コンテンツ公開中

最新記事